2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25249084
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
石田 潤一郎 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (80151372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 加寿江 京都工芸繊維大学, グローバルエクセレンス, 講師 (10532872)
清水 重敦 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (40321624)
三宅 拓也 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 助教 (40721361)
小野 芳朗 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (50152541)
中川 理 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (60212081)
高妻 洋成 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (80234699)
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Project Period (FY) |
2013-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 模型 / 日本建築 / 博覧会 / 海外 / 展示 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近代日本が海外博覧会において建築をどのように展示してきたか、という面から、日本が有する建築文化の海外発信、および海外の建築文化の受容の様相を明らかにしようとするものである。 平成27年度までにドイツおよびオーストリア国内に所在する日本建築模型の調査を完了した。平成28年度はイタリアと英国とに所在する建築模型について調査すべく、まず資料の所在の解明をすすめた。その上で、イタリアについてはパドヴァ大学文化人類学博物館に所蔵されている約50点の建築模型に関する調査を行い、実測と写真撮影、インベントリーの複写を進めた。イギリスについては1910年の日英博覧会に際して出展された建築模型に関する資料を英国国立公文書館、キューガーデン史料館において収集した。 パドヴァ所在の模型の中には前年度調査したブレーメン海外博物館所蔵のものと酷似する例が見出され、あらためて日本建築模型のヨーロッパでの流通時期と経路について調査を始めている。また日英博での実物大模型建設と会期終了後の移築に関わった北村春吉が1911年ドレスデン国際衛生博覧会、1915年パナマ万博のそれぞれの日本館の建設にも携わっていることが判明し、同人の事績について調査を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、当初、以下の4項目の目的を設定した。①建築展示物インベントリー作成のための基礎的情報収集・整理、②ヨーロッパ所在の建築展示物の現存状況調査、③国内所在の建築展示物の現存状況調査、④関連する研究の成果の参照と統合、そのための研究会の開催。 このうち①については明治期の大型博覧会のし両調査は進捗している。②については北欧を除き、完了に近づいている。③は①と連動して調査を継続している。④については平成27年度までの成果の取りまとめが遅れていることからシンポジウム等の開催に至っていないが、フランス圏の研究者との意見交換を進めており、現段階での目的はほぼ達成できていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度であり、以下のような計画に基づいて研究の完成を図る。 ①所在が判明しているデンマークについて現地博物館の協力を仰ぎ、実測調査を行う。またベルギーについても情報の収集を図り、インベントリーを作成する。 ②フランスでの事例の調査を行った研究者、英国の事例について知識の深い研究者と情報の共有を進め、研究会を開催して理解の深化に努める。 ③日本国内に還送された展示物の現存状況を明らかにする。 ④これまでの実測データを集約してインベントリーを集大成する。その上で各参加者の知見を加えて報告書をまとめる。
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