2014 Fiscal Year Annual Research Report
乱流摩擦抵抗低減のためのポリマー溶出界面の研究開発
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25249129
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
安藤 裕友 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (70462869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 光俊 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (70358000)
岩本 薫 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50408712)
高橋 千織 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (40399530)
宮田 修 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (10450678)
関 庸之 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (20645220)
川島 英幹 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (20450679)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 船底摩擦低減 / ソフトマター / ポリマー会合 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリマー・乱流相互作用としてのトムズ効果のメカニズムを解明し,適切な会合特性を持つポリマーと溶出機構制御の基礎を確立するために,当該年度は下記の研究成果を示せた. 1) 溶出ポリマーの水中形態の解明:フィールド・フロー・フラクショネーション法や光散乱による粒度分布解析により水中でのポリマーの状態を測定した.溶媒中に塩を添加することで,会合体(分子団)の形成に変化が生じることが確認され,それに伴い抵抗低減効果の変化が起きることも確認できた. 2)ポリマーの溶解過程における会合特性の制御:分子量1000万以上のポリマーを合成することが可能となり,それらのポリマーを用いて種々の塩存在下でのポリマーの抵抗低減効果の変化を確認した.現状では,流体中の塩によって溶解速度が著しく加速するなど溶解過程の変化について確認できた.また,3)の実験のツールとして,ポリマーに蛍光修飾する技術を確立することができた. 3) ポリマー・水系の速度場計測・数値シミュレーション:蛍光修飾したポリマーと従来のローダミンを溶液に混ぜたポリマーとで乱流中のポリマー状態を比較した結果,蛍光修飾したポリマーの方が長時間糸状物質を維持することが分かり,今後壁面近傍での摩擦抵抗低減効果メカニズムを解明するための新たなツールを見出すことができた.また,ポリマー会合体をマルチビーズ・バネ・ダンパモデルで表現したポリマー-乱流の直接数値シミュレーションを用いてポリマー会合体と乱流との相互作用を確認した. 4) ポリマー溶出機構を有する樹脂/ポリマー系の創製:ポリマー溶出に適した塗料樹脂(アクリル樹脂,金属アクリル樹脂,シリコン樹脂等)をベースとした塗料を作製してポリマー溶出機構について検討を行った. 現状では,ポリマーを塗料から溶出させて界面に滞留させた状態を作り出すことができたが,低減効果を十分に得るまでは至っていない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題毎で,当初計画の内容と若干の違いが生じているが,全体的な研究の進捗は,最終的な目標に沿った状態であると判断しているため,おおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
最終的な目標である「ポリマー溶出機能を有する試作塗料の低減効果を検証」に向けて研究を実施する.
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Research Products
(7 results)