2013 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡挙動解析に基づく蓄電池マルチスケール相界面反応の最適化
Project/Area Number |
25249141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内本 喜晴 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (50193909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折笠 有基 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 助教 (20589733)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 蓄電池 / リチウムイオン電池 / 合剤電極 / 放射光 |
Research Abstract |
リチウムイオン二次電池の反応は、物質輸送が関わる数桁に及ぶ時間と空間の階層構造から成り立っている。本研究の目的は、これまで未解明な階層構造ごとの相界面動的挙動を解明して、蓄電デバイス設計のための基礎学理を構築することである。特に、ミリメートル~センチメートルオーダーの電極3次元構造が引き起こすイオン導電相/混合導電相界面の電極内反応分布挙動から、ナノメートルオーダーの電極活物質内界面移動反応までの各階層構造についての現象に焦点を当てた。本年度の実施状況について、下記の項目ごとに説明する。 1)合剤電極設計のための、パラメータ制御した合材電極の構築を行った。リン酸鉄リチウムを正極にした合剤電極を作製し、プレス圧力を制御する事で、電極中の空隙率を制御可能な条件を決定した。合剤電極の空隙率が変化することでその放電特性が劇的に変化することを見いだした。本合剤電極は最適なモデルケースとして、放射光実験、伝導率測定へ供することが可能である。 2)二次元検出器を用いることにより、反応分布を2次元方向で同時に測定可能なX線吸収分光法を開発した。本手法は今後1)で作製した合剤電極について順次適用し、反応分布解析を行う。 3)合剤電極に6端子の電極を設置し、独立してその電位を制御させることにより、活物質が反応しない状態でイオン電流、電子電流の測定を行った。制御系およびモデル電極の作製を行い、合剤電極中のイオン電流、電子電流を同時に分離して測定する方法論を確立した。 以上より、合剤電極の反応分布挙動解析とその反応因子を解析するための手法確立を完了させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体の研究計画を推進するための基盤整備として、本年度に予定していた、反応分布解析のための方法論確立を完了させた点において、当初研究計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
作製条件を決定した合剤電極を用いて、順次、放射光による反応分布解析およびイオン伝導率、電子伝導率の測定を行う。両者の情報を統合させて、合剤電極設計指針を構築する。これらの知見を拡張するために、電極反応の動的挙動を取得するための方法論確立を目指した検討を行う。
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Research Products
(1 results)