2014 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチンにおける相同組換えの分子機構に関する研究
Project/Area Number |
25250023
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
胡桃坂 仁志 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80300870)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 光弘 明星大学, 理工学部, 教授 (80231364)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ゲノム多様性 / ゲノム進化・再編 / 遺伝情報複製・再編 / ゲノム機能 / 活性発現の分子機構 / 染色体構築・機能・分配 / 生体高分子構造・機能 / 構造活性相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、細胞核内に収納されたゲノムDNAでの相同組換えの分子機構を解明することである。真核生物の細胞核内に存在するゲノムDNAは高次に折り畳まれたクロマチン構造を形成している。しかし、その高次クロマチンでの相同組換え機構は未だ不明瞭であり、相同組換えを介したDNA損傷修復機構を理解するためには、高次クロマチンでの相同組換え反応機構を明らかにする必要がある。本研究では、再構成クロマチンを用いたin vitro組換え反応系によって、クロマチン基質上での相同組換え反応の分子機構を解析した。さらに、出芽酵母のミニクロモソームを利用したin vivoクロマチン解析を並行して行い、クロマチンにおける相同組換え反応機構を包括的に理解することを目指した。 本年度は、再構成クロマチンを基質とした相同的対合反応のin vitro解析系により、リンカーヒストンH1を含む高次クロマチンでの相同組換え反応を解析した。その結果、高次クロマチン構造はRAD51およびRAD54により触媒される相同的対合反応に対して阻害的に働くことが明らかになった。さらに、その阻害効果はヒストンH1のシャペロンとして知られるNap1によって解消され、高次クロマチンでの相同組換え反応が促進することが明らかになった。並行して、イネのRAD51タンパク質の生化学的解析を行い、相同組換えの部分反応に関する知見を得た。さらに、出芽酵母のミニクロモソームを利用したin vivo解析を行うために、ヒト相同組換え因子であるRAD51、DMC1、RAD54の強制発現系を検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
高次に折り畳まれたクロマチンでの相同組換え反応の分子機構を解明するために、本年度はリンカーヒストンH1を含む高次クロマチンでの相同組換え反応の分子機構を解明した。本研究成果は、クロマチン構造による相同組換えの制御機構に関する重要な発見の一つであり、本申請の重要課題である。さらに、イネ由来のRAD51タンパク質を用いた解析は、相同組換えの中心反応である相同的対合反応の分子機構の理解に重要な知見を与えた。以上のことから、これらの成果は当初の計画を大きく上回っており、本年度は計画以上に研究が進展したと言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度に確立した高次クロマチン再構成系による相同的対合反応の解析は、今後の研究を遂行する上で重要な基盤技術となる。ヒストンには多種のバリアントが存在し、それらヒストンバリアントが多様なクロマチン構造を形成することが知られている。しかし、それらのヒストンバリアントと相同組換え反応との関係は未だ不明である。さらに、リンカーヒストンH1にも多くのサブタイプが存在することが知られており、これらのH1サブタイプの、相同組換え反応への寄与は全く明らかになっていない。今後は、ヒストンバリアントやリンカーヒストンサブタイプにより形成される多様な高次クロマチン構造が相同組換えに及ぼす影響を、本年度に確立した再構成クロマチンによる相同的対合反応解析系を用いて明らかにする。
|
Research Products
(30 results)
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Nap1 stimulates homologous recombination by RAD51 and RAD54 in higher-ordered chromatin containing histone H1.2014
Author(s)
Machida, S., Takaku, M., Ikura, M., Sun, J., Suzuki, H., Kobayashi, W., Kinomura, A., Osakabe, A., Tachiwana, H., Horikoshi, Y., Fukuto, A., Matsuda, R., Ura, K., Tashiro, S., Ikura, T., and Kurumizaka, H.
-
Journal Title
Scientific Rep.
Volume: 4
Pages: 4863
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] FANCD2 associated with chromatin anchors CtIP and regulates DNA end resection during DNA interstrand crosslink repair.2014
Author(s)
Unno, J., Itaya, A., Taoka, M., Sato, K., Tomida, J., Sakai, W., Sugasawa, K., Ishiai, M., Ikura, T., Isobe, T., Kurumizaka, H., and Takata, M.
-
Journal Title
Cell Rep.
Volume: 7
Pages: 1039-1047
DOI
Peer Reviewed
-
[Presentation] Nap1 is required for the homologous recombination reaction in higher-order chromatin containing histone H1"2014
Author(s)
Shinichi Machida, Motoki Takaku, Masae Ikura, Jiying Sun, Hidekazu Suzuki, Wataru Kobayashi, Aiko Kinomura, Akihisa Osakabe, Hiroaki Tachiwana, Yasunori Horikoshi, Atsuhiko Fukuto、 Ryo Matsuda, Kiyoe Ura, Satoshi Tashiro, Tsuyoshi Ikura, Hitoshi Kurumizaka
Organizer
The 4D Nucleome 2014
Place of Presentation
広島県廿日市市
Year and Date
2014-12-17 – 2014-12-20
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-