2016 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative genome analysis of parthenogenetic nematode
Project/Area Number |
25250025
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
小原 雄治 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 特任教授 (70135292)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ゲノムアセンブリ / 線虫 / 単為発生 / 進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
有性生殖の意義は生物学における長年の課題であるが、モデル生物の線虫C.elegansグループに最も近い種であるDiploscapter coronatusは長期にわたり単為生殖のみで進化してきた可能性がある。そこで、単為生殖のゲノム基盤を明らかするためにこの線虫のゲノム解読を進めた。これまでに、総延長170Mbのドラフトゲノムのアッセンブルを得、その90%近くは互いに似ているが同一ではないパートナー配列(平均5.7%の塩基配列の違い)を持っており、同定された約34,000の遺伝子のうち約14,000はallelicなペアであることから、通常の意味での遺伝子数は約2万と推定した。減数分裂に関わる遺伝子(rec-8, cho-3/4などKleisin)など様々な遺伝子が欠けていた。 本年度は昨年度に引き続き、ゲノムアノテーションを進めた。特に、他の単為生殖線虫との比較のために以下の解析を行った。また比較のためのC.elegansでの研究も進めた。 1)転移因子:無性生殖と関係していることが言われており、雑種形成を起源とすると言われる植物寄生線虫のM. incognita のゲノムの36%を占めているのに対し、D. coronatusは17.5%であり、有性生殖のC. elegans, (16.5%)やC. briggsae (22.4%:)と大差がなかった。 2)dN/dS比:ペアを構成する遺伝子についてdN/dS比を計算したところ、その値は平均0.12であり、典型的なnegative selectionの範囲であり、雑種形成由来に合う結果であった。 3)HGT(遺伝子の水平伝達):ワムシの一種であるA. vagaは数百万年の間単為生殖をしてきたが、遺伝子の水平伝達が遺伝子多様性確保に貢献していることが報告されている。D. coronatusゲノムにはnon-metazoa由来の遺伝子が90見つかったが、HGTか明確ではなく、その割合は非常に低いものであった。 これらの結果をまとめて論文投稿し、現在リバイズ中である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)