2014 Fiscal Year Annual Research Report
細胞によるRNAポリメラーゼⅡ転写産物のソーティング機構
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25251004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大野 睦人 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80201979)
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Project Period (FY) |
2013-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | RNAポリメラーゼⅡ / RNA核外輸送 / mRNA / U snRNA / hnRNP |
Outline of Annual Research Achievements |
1.hnRNP Cの4量体がどのようにして200-300塩基長を認識できるのかを構造生物学的手法で明らかにする(EMBL、GrenobleのStephen Cusack博士との共同研究)。引き続き、結晶化に必要な発現量を得る条件を検討している。 2.4量体は核内でRNAから解離して輸送因子などと置き換わると考えられるので、その解離・置換のダイナミックなメカニズムを明らかにする。HeLa細胞核抽出液中に、4量体をRNAから解離させるATP依存的な活性が存在することが分かったが、この活性の正体はUAP56ではなかったので、引き続き別のヘリカーゼの可能性を調べている。 3.4量体をノックダウンした細胞中では、U snRNA輸送因子がmRNAに結合してしまうという異常な事態が起こり、このような異常mRNAの核外輸送が停止されることが分かっている。このようなmRNA複合体の異常を感知して発現を止める新規核内mRNA監視機構を明らかにする。この新規核内mRNA監視機構を明らかにするために、コントロールKD HeLa細胞、hnRNP C KD細胞、hnRNP CとPHAXの2重KD細胞の3種類の細胞からRNAを抽出し、RNAの大規模シークエンシングを行った。hnRNP C KD細胞で発現上昇し2重KD細胞で正常に戻る遺伝子群として、M期に活性化する因子群が浮かび上がってきた。これにより、細胞が疑似M期になることによって異常mRNAの核外輸送を停止させているというモデルが考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由) 1番と2番のアプローチがややもたついているものの、3番についてはかなり進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
1については、hnRNP Cのドメイン構造をまず明らかにし、その後、RNAの長さを認識する最少ドメインを発現させ、それを結晶化する方針で行く。 2については、基本的に当初の計画通り進める。引き続きUAP56以外のRNAヘリカーゼの関与を調べる。 3については、細胞が疑似M期になることによって異常mRNAの核外輸送を停止させているというモデルの検証を行う予定である。
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