2014 Fiscal Year Annual Research Report
バイオイメージングによる関節リウマチの病態解析とその新規評価法としての医療応用
Project/Area Number |
25253070
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石井 優 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10324758)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨髄環境 / イメージング / 細胞動態 / 免疫 / 炎症 / 関節リウマチ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、爆発的な勢いで、種々のターゲット分子を標的として開発・応用されている生物学的製剤であるが、様々な臨床試験のデータが蓄積されている一方で、実際に生体内における組織・細胞レベルで具体的にどのように作用しているのかについては不明な点が多い。本研究では研究代表者が独自に開発・改良した生体イメージング系を活用することで、各種生物学的製剤の体内動態の可視化、ターゲットとなる細胞への作用・それによる細胞機能の変化を実体的かつリアルタイムで解析することを目的としている。特に(1)関節炎の発症・増悪過程における炎症細胞や骨破壊に関与する破骨細胞・マクロファージの動態を解析し、この系において生物学的製剤の薬効をin vivoでの分子・細胞レベルで評価するとともに、(2)各種生物学的製剤の作動様式の時空間的解析のために、標識化製剤を用いてその生体内動態を解析することを目的とする。平成26年度には、平成25年度に作成を開始した蛍光リポーターシステム(主にはB6背景)のDBA/1Jマウス(コラーゲン誘導関節炎に感受性)への戻し交配を進め、十分に関節炎誘導が可能な蛍光リポーター系の構築に成功した。さらにこのシステムを活用することで、実際の炎症関節において活性化する破骨細胞の動態をイメージング解析することに成功し、この定量評価法についても確立しつつある。また、従来からの皮質骨イメージングによる解析で、炎症性骨破壊モデルを作成し、破骨細胞の骨破壊を観察することに成功した他、この系を用いて、抗IL-6R抗体などの生物学的製剤の細胞レベルでの作用機序を解析することに予備的に成功している。また、大動物や将来的なヒト関節での生体イメージング系の立ち上げに向けて、未標識の骨関節を二次高調波発生(一種の自家傾向)を利用して可視化する系の開発も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト臨床での関節リウマチに最も類似性が高いとされるコラーゲン誘導関節炎モデルにおいて骨破壊を生体イメージング解析することに成功してきており、本計画研究で目指している大きな研究項目の一つが3年間の研究期間内で達成可能な見通しが得られてきているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度には、平成26年度までに開発した種々のツールやイメージング技術、生物学的製剤の生体内局在などの予備的データを元に、関節炎の病態発症および増悪過程の炎症細胞の動態・機能、炎症性骨破壊の実体的解析を進め、さらには各種抗体製剤の具体的な作用機序、特に標的細胞における実際の効果について詳細な解析を行い、各種製剤の機能差別化を行う。また引き続き、大動物やヒト関節の可視化への技術開発を推し進める。
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Research Products
(8 results)