2013 Fiscal Year Annual Research Report
ロコモーティブシンドロームに対応した口腔インプラントの分子医学的治療戦略
Project/Area Number |
25253103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
細川 隆司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60211546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 祐介 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00611287)
中本 哲自 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (30514989)
向坊 太郎 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50635117)
正木 千尋 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60397940)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨質 / コラーゲン / クロスリンク |
Research Abstract |
インプラント補綴治療において骨質は臨床的に極めて重要なリスク因子と考えられているにもかかわらず,その客観的評価方法さえ確立されていない。そこで本研究の目的は,骨質に密接に関わっているコラーゲン架橋とナノストラクチャーに焦点をあて,非侵襲的顎骨骨質検査法の確立を目指すことを目的とした。 まず,17-18週齢ニュージーランド白色種雌性Healthyウサギ20匹に対して卵巣摘出手術(OVX)の後,実験群10匹に1%L-メチオニン混合固形試料を1日あたり100g,16週間給餌させ,高ホモシステイン血症を誘発した(Met/OVX群).対照群10匹には実験動物用固形試料を給餌した(OVX群).16週経過後の剖検時に右側大腿骨を採取し,骨強度測定装置 MZ-500Sを用いて3点曲げ試験を行った.支点間距離は80 mmとし,500 kgfの荷重,5 mm/minの速度で破断を行い,破断時間,破断力,破断変形,破断エネルギー,最大荷重,Stiffness,チャート面積を求めた.統計学的解析にはStudents t-testを用いて検定を行った(P < 0.05). メチオニン投与により,最大荷重と破断力においてMet/OVX群(287.26±24.10N, 254.09±43.88N)の方がOVX群(262.23±22.8N, 208.11±27.74N)よりも有意に高い値を示した(P < 0.05).一方,破断時間,破断変形はやや低値の傾向を,チャート面積,Stiffness,破断エネルギーはやや高値の傾向を示したが,有意な差は認めなかった.これらの結果より,OVXおよび高メチオニン食によって引き起こされた高ホモシステイン血症モデルにおいては骨強度が減少する可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は酸化ストレスによりコラーゲンのAGEs架橋が増加するとされる高ホモシステイン血症モデルを作製することができたため,来年度はそのモデルを使用して顎骨における骨強度測定を行えると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はウサギ下顎骨,大腿骨に対して骨中ペントシジン,ホモシステイン値の測定に加え,ナノインデンテーション試験を行い,骨質の粘弾性を測定する。その後,,μCTやSPring-8 ビームラインBL20B2(単色放射光CT)のデータと弾性係数等との関連についての検討を行う予定である.
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