2015 Fiscal Year Annual Research Report
ロコモーティブシンドロームに対応した口腔インプラントの分子医学的治療戦略
Project/Area Number |
25253103
|
Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
細川 隆司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60211546)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 祐介 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00611287)
向坊 太郎 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50635117)
正木 千尋 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (60397940)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 骨質 / コラーゲン / クロスリンク |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント補綴治療において骨質は臨床的に極めて重要なリスク因子と考えられているにもかかわらず、その客観的評価方法さえ確立されていない。そこで本研究の目的は、骨室に密接に関わっているコラーゲン架橋とナノストラクチャーに焦点を当て、非侵襲的顎骨骨質検査法の確立を目指すことを目的とした。 平成25年は、17-18週齢ニュージーランド白色雌性ウサギ20匹に対して卵巣摘出術(OVX)の後、実験群10匹に1%Lメチオニン混合固形試料を1日あたり100g、16週間給餌させ、高ホモシステイン血症を誘発し(Met/OVX)、大腿骨を用いた3点曲げ試験により骨強度の測定を行った。続いて平成26年度は高ホモシステイン血症モデルの血中ペントシジン量およびホモシステイン量を測定したところ、両群間で有意な相違は認められなかった。また、μCTおよびSpring-8、ビームラインBL20B2(単色放射光CT)を用いて微小構造解析を行ったところ、Met/OVX群ではやや疎な骨梁がみられたが、大腿骨、下顎骨ともに有意な違いは見られなかった。それらの結果を踏まえ、平成27年度では下顎骨の強度測定をナノインデンテーション法を用いて行った。三角錐状のダイアモンドの微小圧子を用い、皮質骨表面で荷重ー除荷試験を行い、ナノスケールの圧痕から準静的に硬さと弾性係数を評価した。まず貯蔵弾性率を計測するために最大荷重500枚μNを周期的に皮質骨に対して加えて骨の方さを比較した結果、Met/OVX群の方が、コントロール群に比べて貯蔵弾性率が低い傾向を示した。またインデントを200nmの深さで変位をコントロールして圧子に生じる応力の減少を測定したところ、Met/OVX群の方が応力の低下を示すことが明らかとなった。以上の結果から、非酵素的コラーゲン架橋が増加した場合、骨の物性が変化し、微小破壊が生じやすくなる可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノインデンテーション法を用いて、下顎骨の脆性破壊強度を測定することができた。また、ラマン分光法により、コラーゲン架橋の違いを明らかにすることもできたので、ほぼ予定通りの進展と思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの結果を踏まえて、ヒトにおける臨床研究につなげていきたいと考えている。
|
Research Products
(2 results)