2015 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア・中東に跨るイスラーム・ネットワークの動態に関する学際的研究
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25257002
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
床呂 郁哉 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90272476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西井 凉子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20262214)
福島 康博 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (20598908)
富沢 寿勇 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (70180164)
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Project Period (FY) |
2013-10-21 – 2017-03-31
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Keywords | イスラーム / 東南アジア / 中東 / 紛争と平和構築 / ハラール産業 / エスニシティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画(以下、「本研究」と記載)では東南アジアと中東に跨るイスラームを媒介とした人的、社会・文化的ネットワーク(以下、「イスラーム・ネットワーク」と記載)の20世紀後半以降の状況について、現地でのフィールドワークを含む研究を通じて具体的に解明することを主な目的としている。この目的のため、平成27年度においては東南アジアの各地ならびに国内の研究機関等において、研究代表者と研究分担者の協力によって、フィリピンやマレーシア、タイなど各国の個別の文脈に即した実地調査とデータの分析を実施すると同時に、国内でワークショップを開催して、個別の事例を比較参照して検討を行った。具体的に述べると、研究代表者の床呂はミンダナオなどフィリピン南部における「モロ」と総称されるムスリム少数民族をめぐるネットワークとその政治・社会への影響、ならびにムスリムの分離独立運動と平和構築をめぐる状況について関係者へのインタビューを含む実地調査を実施した。分担者の西井はタイにおける少数派ムスリムの間で近年活性化しつつある「ダッワ」と称されるイスラーム復興運動をめぐる動向などについて調査を実施した。同じく研究分担者の富沢は、マレーシアを中心とするハラール産業等をめぐる動向について調査研究を実施した。同じく福島はマレーシアやシンガポール、フィリピンにおけるハラール産業に関して比較研究を行った。さらに研究成果の報告・社会還元を兼ねたワークショップ(研究会)では個別の事例を比較しながら地域全体の概況についても総括と検討を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」でも触れた通り、研究目的として設定していた東南アジアにおけるイスラーム・ネットワークの実態とその社会的影響等に関して、フィールドワークを含む現地調査などを通じて個別具体的・実証的な学術的研究を実施できたことと同時に、単に各国の個別の事例データの蓄積だけではなく、相互の比較検討なども実施することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる平成28年度においては、平成27年度に引き続いて東南アジアの各地における国ごとの個別事例に関するデータを継続的に収集分析することに加えて、総括ワークショップ(ないし講演会)の実施などを通じて、これまでの研究成果の取り纏めと、成果報告書の刊行に向けた取り組みを行う予定である。
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Research Products
(20 results)