2015 Fiscal Year Annual Research Report
レバノン・シリア移民の拡張型ネットワーク―自己多面化と空間構想力
Project/Area Number |
25257003
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
黒木 英充 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20195580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 茂 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10162950)
眞島 一郎 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10251563)
飯塚 正人 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90242073)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 移民 / 中東 / レバノン / シリア / ネットワーク / ラテンアメリカ / オセアニア / 西アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
2015(平成27)年度は海外調査をレバノン(黒木)、トルコ(黒木)、オーストラリア(分担研究者・飯塚)、ブラジル(連携研究者・鵜戸)、メキシコ(連携研究者・飯島)、カナダ(研究協力者・池田)にて実施した。分担研究者の鈴木と真島は専らこれまでに収集してきた文献資料の分析を国内にて行った。飯島がメキシコで見つけ出し、2014年度にメキシコ国立フィルムセンターにて修復されたレバノン移民の1949年一時帰国の映像資料の分析も進めた。同映像は2015年10月9日に山形国際ドキュメンタリー映画祭での上映に供するとともに、2016年3月22日にはベイルートの映画館を借り切り、約170名のレバノン人や同地のメキシコ大使を初めとする多くの国々の人々による鑑賞を通じて、新事実の解明につながる知見を多く得ることができた。(黒木、鵜戸、研究協力者・山本が参加、現地のJapan Center for Middle Eastern Studiesと共催。) 一方、シリア内戦の激化と難民問題の大規模化により、従来のシリア移民との関係づけや相互的な影響に関して、問題が新たに浮上し、これにも取り組むこととなった。 各人の論文執筆も順調に進んだが、なかでも鈴木によるレバノン移民も含めたブラジルにおける移民研究の大著の翻訳『ブラジルのアジア・中東系移民と国民性の構築』は、日本における移民研究全体にも大きな影響を与える業績となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015(平成27)年度は、やむを得ぬ事情により分担研究者2名の海外調査が実施できなかったものの、収集資料の分析が進行し、研究代表者をはじめ他のメンバーによる海外調査が順調に進展し、最終年度の取りまとめに向けて条件が整ったと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2016(平成28)年度は、研究報告書執筆に向けた小規模会議を2回開催して各人の論点を相互に参照し合うとともに、レバノンとラテンアメリカを中心とした補足的海外調査を行い、10月には海外から研究者3名を招聘して取りまとめ的な国際会議を開催する予定である。
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Research Products
(25 results)