2014 Fiscal Year Annual Research Report
西アジア・アフリカ乾燥地における外来移入植物種メスキートの統合的管理法の研究
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25257006
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
縄田 浩志 秋田大学, その他部局等, 教授 (30397848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 隆 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (00215633)
石山 俊 総合地球環境学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, その他 (10508865)
依田 清胤 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (30254832)
安田 裕 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 准教授 (60136538)
星野 仏方 酪農学園大学, 農学生命科学部, 教授 (80438366)
田中 樹 総合地球環境学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10231408)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 西アジア / アフリカ / スーダン / 外来移入種管理 / 砂漠化対処 / 地域住民 / 地域研究 / 乾燥地研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
北東アフリカ・スーダンは、外来移入植物種メスキートの影響をもっとも大きく受けている国であり、なかでも東部地域(紅海州、カッサラ州)は、70%以上が集中しており、行政的にも新たな研究成果の期待が非常に高い地域のため、この地域を主な現地調査対象地域として、6名のスーダン側研究協力者と共同研究を行ってきた。 市販本として、縄田浩志・篠田謙一編 『砂漠誌:人間・動物・植物が水を分かち合う知恵』(東海大学出版部)を2014年4月 に出版し、「世界の砂漠の分布域」、「乾燥熱帯沿岸域」、「乾燥地に進出したヒトの能力」、「砂漠への適応の技術」、「砂漠の土」、「砂塵嵐ハブーブ」、「地下水文体系と植生の水利用との関係」、「オアシスの分水システム」、「砂漠に広がる外来樹種メスキート」、「ナツメヤシの栄養繁殖と人工授粉」、「ナツメヤシ栽培品種の遺伝子型同定および遺伝的多様性の評価」、「メスキートの根」、「ナツメヤシ種子の部位名称と生長段階の分類」、「地上でしのぐヒトコブラクダと穴に潜るシリアンハムスターの戦略」、「砂漠で暮らすカモシカとロバ」、「ドルカスガゼルの生態と狩猟」、「水場を中心に描く家畜と野生動物のホームレンジ」、「ヒトコブラクダの多面的なかかわり」、「野生動植物利用と養蜂」、「サハラとサーヘルにおける農耕」、「稀少な資源を分かち合う文化」、「現地住民は干ばつにどうやって対処してきたか」、「砂漠化対処が生んだ「負の遺産」を乗り越えるには」、「砂漠の子ども達」、「砂漠誌:これからの砂漠研究を切り拓くために」といった内容を、研究代表者・研究分担者の6名全員が執筆した。 また、学術論文としては英文5報、和文1報を発表した。学会発表は、海外で6件、国内で6件行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、スーダン側研究協力者との協働研究体制の構築に基づき、植物生理生態・水文環境に決定的な影響を及ぼす雨期を念頭に置き、雨期前・雨期後に分けてリモートセンシング班、植物生理生態班、水文・土壌班、家畜生理生態班の4班がともに調査を実施した。 地域の生態学的特質と社会的状況に対する総合的な理解に基づき、1)外来植種の分布・拡大特性の評価と農牧地への影響の診断技術開発(リモートセンシング班)、2)外来植種の成長応答・実生定着特性の評価と当該植種の群落管理手法の開発(植物生理生態班)、3)外来植種の侵入による水文状況の変化が地域住民の地下水 資源環境に及ぼす影響評価と水管理技術の開発(水文・土壌班)、4)外来植物種の家畜の摂食による消化機能の変化に関する評価と飼料としての外来植物の利用法の開発(家畜生理生態班)、5)植林活動と農村開発に関する社会生態学的評価とハンドブック・リーフレット出版による情報共有体制の開発(社会環境班)、6)調停者・仲介者としての地域のリーダーの活用を軸とした研究者と地域住民の連携による研究資源活用体制の開発(農村開発班)により、外来移入植物種メスキートの統合的管理法を確立する道筋がついてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策 リモートセンシング班、植物生理生態班、水文 ・土壌班、社会環境班の4班による現地調査に基づき、相互に調査結果を共有していくことにより、植物生理生態学、水文学、比較栄養生理学、リモートセンシング、林学、畜産学、牧野管理学、農業経済学、文化人類学、農村開発学、環境人類学といった専門的な知識を有機的に統合化した研究成果のまとめに力を注ぐ。特に、行政従事者用のハンドブックと村落住民用のリーフレットをアラビア語出版することによる研究資源の現地社会との共有の観点から、研究成果の統合をすすめていく。同時に、和文成果本『ヒトコブラクダ』『モロコシとトウジンビエ』『篤農家と地域社会』、英文成果本『Cultures of Water Management』の出版を研究代表者と研究分担者で協力して推進していく。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Comparative Characteristics of the Home Ranges of Domestic and Wild Animals in Arid and Semi-Arid Afro-Eurasian Watering Places as Hot Spots for Pasture Degradation.2014
Author(s)
Hoshino BUHO, Hiroshi NAWATA, Kenji KAI, Hiroshi YASUDA, Kenji BABA, Sumiya GANZORIG, SURIGA, Manayeva KARINA, Tsedendamba PUREVSUREN, Miki HASHIMOTO, Kenji KAWASHIMA, Jun NODA, Katsuro HAGIWARA and Yuka SHIBATA
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Journal Title
Journal of Arid Land Studies.
Volume: 24(1)
Pages: 51-56
Peer Reviewed
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[Journal Article] stimation of Water Sources of Invasive Tree Species in Arid Environments by Oxygen Stable Isotope Analysis2014
Author(s)
T. Saito, M. Tsukumo, M. A. M. Abd Elbasit, H. Yasuda, T. Kawai, N. Matsuo, K. Inosako, K. Acharya, A. E. Babiker, A. A. Hamd, H. Nawata.
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Journal Title
沙漠研究
Volume: 24(1)
Pages: 29-32
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] “Fallow Band System”, a do-nothing practice for controlling desertification and improving crop production in the Sahel, West Africa.2014
Author(s)
Ikazaki, K., Shinjo, H., Tanaka, U., Tobita, S., Funakawa, S., Kosaki, T.
Organizer
20th World Congress of Soil Science
Place of Presentation
Jeju (Korea)
Year and Date
2014-06-08 – 2014-06-13
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[Presentation] Sustainable and efficient land management practices in the Sahel.2014
Author(s)
Shinjo, H., Ikazaki, K., Imanaka, S., Tanaka, U., Hayashi, K., Tobita, S. and Kosaki, T
Organizer
20th World Congress of Soil Science
Place of Presentation
Jeju (Korea)
Year and Date
2014-06-08 – 2014-06-13
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