2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25257010
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
石澤 良昭 上智大学, アジア人材養成研究センター, 教授 (10124851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CYRIL Veliath 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (10216202)
丸井 雅子 上智大学, 総合グローバル学部, 准教授 (90365693)
田畑 幸嗣 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (60513546)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 東南アジア史 / 地域研究 / 中国古代、近世史 / 碑文学 / 考古学 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究会 ①(通算第5回)2014年5月19日(月)17時-18時半(上智大学2-510) 三輪悟氏(上智大学アジア文化研究所共同研究員/本補助事業研究協力者)「カンボジアの伝統木造民家」(カンボジア南東部、メコン河流域の伝統木造民家の調査を通じ、基層文化のひとつの顕著な例としての木造民家の技術・生業を明らかにした。当該地域のアンコール期の諸遺跡との比較検証をおこなった。) ②(通算第6回)2014年7月16 日(水)18時-19時半(上智大学2-510)松浦史明氏(日本学術振興会特別研究員PD(上智大学)/本補助事業研究協力者)「周達観の来た道―アンコール南部の歴史と水上交通」(『真臘風土記』にみられる中国からアンコール・ワットにいたる往時の水上交通ルートから地図上に示し、メコン川デルタ地帯の「真臘の境域」からアンコール王朝南部にかけての地域の歴史を、碑文史料に基づいて報告。交通ルートの解明から地方統治のあり方について言及した。) ③(通算第7回)2015 年1月 22 日(木)18時半-20時(上智大学L-912)朝日由実子氏(日本女子大学人間社会学部現代社会学科助教)「カンボジアにおける絹織物業と民族性」(メコン下流域の絹織物業の技術及び人的ネットワークを歴史的に考察した。本補助事業にとって、社会学からの地域研究手法が参考になった。)*なお、各研究会開催直前に分担研究者と協力者との打ち合わせ会議を開催し、相互の研究進捗状況を報告した。 2.海外調査 ①カンボジア(基礎調査)2014年8月4日-9月10日(アンコール遺跡発掘調査、博物館資料調査、クメール建築施工技術調査)、②カンボジア(総合調査・踏査)2015年2月19日-27日(カンボジア南部地域先アンコール期の洞窟遺跡を中心とした踏査)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に計画通り進んでいる。 1.研究目的且つ目標が具体的であった。 碑文に関わる地理情報の収集と記録化は、H25年度およびH26年度の海外調査を経て順調に蓄積されている。また、代表者石澤、協力者松浦、同ニム・ソティーブン(上智大学アジア文化研究所客員所員)によって日本においてはアンコールの碑文目録の読み直しが進められている。相互の連携がうまく取れている。この成果の一部は『佛教藝術』誌337号(アンコール研究特集号)に掲載された。 2.海外調査のための各機関との連携がよかった。 海外調査は今年度はカンボジアのみで2度実施した。いずれも常時よりカンボジア側文化芸術省、アプサラ機構、王立芸術大学、プノンペン大学等と学術協定などを交わしているために便宜供与を最大限引き出すことが出来た。また、調査時には必ずカンボジア側研究者が加わり、現地におけるトラブルを避けることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
[研究会]年度前半に2回、年度後半には研究会を1回、さらにシンポジウム形式の会を1回開催予定。 [海外調査]基礎調査としてのカンボジアにおける調査を夏期に1回、海外調査・踏査をカンボジア北部(プレア・ヴィヒア周辺)からラオス南部(チャンパサック地方:ワットプー遺跡など)で実施する。海外調査・踏査の概要は次のとおり: アンコール王朝発祥の地ラオス南部のワット・プーは、コー・ケー(現カンボジア・プレア・ヴィヒア州)経由で歴代の王達から莫大な寄進品が届けられていたことが碑文によりわかっている。メコンを使い、森林の産物、特に沈香、香辛料などの交易が知られている。碑文(K.307)などの地理情報収集とデータ化および、古道の検証を考古学および建築史から進める。 [報告書作成]2015年10月末を締切とし関係する研究者が論文を執筆、2016年3月末を目途に発行する
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Research Products
(8 results)