2013 Fiscal Year Annual Research Report
コーラル・トライアングル超多島域におけるブルーカーボン動態と地球環境影響予測
Project/Area Number |
25257305
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
灘岡 和夫 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (70164481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮島 利宏 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (20311631)
渡邉 敦 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (00378001)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ブルーカーボン動態 / コーラル・トライアングル / 地球環境影響予測 / 沿岸生態系劣化 / 炭酸系計測 |
Research Abstract |
マングローブ林に関係して、フィリピン・パナイ島のバナテ湾およびミンダナオ島のラギンディンガン、インドネシア・スラウェシ島のラワ・アオパ国立公園、および国内比較サイトとしての沖縄・石垣島の吹通川河口周辺域、沖縄本島の漫湖干潟および億首川のマングローブで調査を実施し、生態学的・水文学的・地球化学的データを収集した。各サイトで、マングローブ林内に長期観測プロットを設け、樹高、直径、樹冠面積等を計測し、地上部および地下部の炭素貯蔵量を推定するとともに、土壌やリター、水の採取を行い有機物含量や炭素量を分析した。さらに、フィリピンのマングローブ林を対象に衛星画像解析による広域マッピングを開始した。海草藻場に関しては、フィリピンにおいてブルーカーボンの代表的な生成場所の一つである海草藻場の物理化学環境に関する基礎調査を行った。また、マングローブ林や海草藻場の高解像度空中写真を撮影するために、マルチコプターを購入し、撮影方法の検討を行った。 さらに、堆積物へのブルーカーボンの蓄積メカニズムを解明するために比表面積測定装置を導入し、有機炭素蓄積量の比表面積に対する依存性を解析した結果、亜熱帯・熱帯の堆積物における蓄積メカニズムは従来から研究されている温帯の堆積物の場合とは異なる可能性が見いだされ、従来の研究手法が適用できるかどうか慎重に検討を進めているところである。 モデル開発に関しては、当研究室でこれまで開発してきたサンゴ礁生態系を対象とした物理-化学-生物過程統合モデルや陸源負荷評価モデルなどを発展させるとともに、マングローブや海草藻場等の重要なコンパートメントを含んだ形でのモデル体系を構築する検討を行った。また、それと併行して、現在までに得られたデータを統合し、ブルーカーボンモデルのプロトタイプを作成するとともに、現地観測結果に基づく精度検証を行い、モデルの高精度化の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題における重要な柱の一つであるブルーカーボンに関する国際共同調査研究に関しては、フィリピンとインドネシアの複数サイトにおいて具体的な調査を実施するとともに、国内の比較サイト(沖縄)においても複数のサイトについて調査を実施し、マングローブ林や海草藻場といった主要なカーボンストック要素に関するデータを取得することが出来ている。 もう一つの本研究課題の重要な柱であるモデル開発に関しても、当研究室でこれまで開発してきたサンゴ礁生態系を対象とした物理-化学-生物過程統合モデルや陸源負荷評価モデルなどを発展させるとともに、マングローブや海草藻場等の重要なコンパートメントを含んだ形でのモデル体系を構築する検討を行っている。また、それと併行して、現在までに得られたデータを統合し、ブルーカーボンモデルのプロトタイプを作成するとともに、現地観測結果に基づく精度検証を行い、モデルの高精度化の検討を行っている。 リモートセンシング解析に関しても、マングローブ林を対象に広域マッピングを開始しており、さらに、マングローブ林や海草藻場の高解像度空中写真を撮影するためにマルチコプターを購入し、撮影方法の検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
海外の調査サイトとしてさらにベトナムのメコンデルタのマングローブ域等を加えることを検討し、さらに国内の比較対象サイトとして沖縄よりも高緯度の種子島を加えるなど、緯度依存性や背後流域との関係の違いなどに関して、より広範な条件下でのサイト設定と、それに伴う現地データの具体的な取得に取り組む。 また、衛星画像解析やマルチコプターの応用といったリモートセンシングによる沿岸生態系の面的動態把握の試みをさらにすすめる。 そして、沿岸生態系を取り囲む様々なローカル・グローバル環境負荷変動要因のもとでのブルーカーボン動態の解析を可能とするためのモデル体系の発展に取り組み、将来的な気候変動のもとでの沿岸炭酸系特性の変動予測やブルーカーボン消失量の予測を可能とするための検討を行う。
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Research Products
(22 results)
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[Presentation] Improved Classification of Moderate Resolution Satellite Image Using Ratio, NBAI, and PC Transform2013
Author(s)
Principe, J.A., Blanco, A.C., Yamamoto, T., Nadaoka, K.
Organizer
34th Asian Conference on Remote Sensing
Place of Presentation
Bali, Indonesia
Year and Date
20131020-20131024
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[Presentation] Assessment and Modeling of Environmental and Socio-Economic Impacts of Urban Development using RS and GIS for Integrated Coastal Land Use Planning2013
Author(s)
Tomoling, E.C.M.A., Blanco, A.C., Iwai, K., Tamondong, A.M., Nadaoka, K.
Organizer
34th Asian Conference on Remote Sensing
Place of Presentation
Bali, Indonesia
Year and Date
20131020-20131024
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[Presentation] Hydrodynamics and Water Quality Characteristics of a Tropical, Tidally-affected Lake (Laguna de Bay, Philippines) from Field Observations and Numerical Simulations2013
Author(s)
Herrera,E.C., Nadaoka,K., Blanco, A.C., and Hernandez, E.C.
Organizer
The Laguna Lake Water and Flood Management Imperative Conference(Poster)
Place of Presentation
Philippine International Convention Center, Pasay City, Philippines
Year and Date
20131003-20131004
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[Presentation] Development of an Integrated Decision Support System for Sustainable Coastal Resource Use and Conservation2013
Author(s)
Blanco, A.C., Fortes, M.D., Herrera, E.C., Nadaoka, K., San Diego-McGlone, M., Pacheco, B., Villanoy, C., Siringan, F.
Organizer
International Symposium on Coastal Cities, Marine Resources and Climate Change in the Coral Triangle
Place of Presentation
Jakarta, Indonesia
Year and Date
20130703-20130704
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[Presentation] CO2 Sink/ Source Characteristics in the Tropical Indonesian Seas2013
Author(s)
Kartadikaria, A.R., A. Watanabe, K. Nadaoka, H.B. Prayitno, N.S. Adi, M. Muchtar, Suharsono, I. Triyulianti, and A. Setiawan
Organizer
Indian Ocean and Pacific Conference (IOPAC) 2013
Place of Presentation
Nusa Dua, Bali, Indonesia
Year and Date
20130618-20130621
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