2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25257411
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奈良 一秀 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (60270899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 陽介 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (30324552)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 東南アジア / インドネシア / タイ / ベトナム |
Outline of Annual Research Achievements |
伐採や火災など人間活動の影響によって、東南アジアの森林は急速に消失・劣化し、地域環境や地域経済に深刻な影響が出ている。早急な対策が望まれているものの、熱帯地域での森林再生は難しく、課題解決のめどはたっていない。本研究課題では樹木の根に共生する微生物である菌根菌に着目し、これを活用した持続的な熱帯林施業を実現するための学術的基盤整備を目的としている。これまで温帯地域を中心とした研究によって、菌根菌との共生が樹木の養分吸収と成長に不可欠なこと、1つの森林には多種多様な菌根菌が存在すること、菌種のよって樹木に与える影響は大きく異なること、菌根菌の種組成は地域や樹種、環境によって異なることなどが明らかにされている。しかし、熱帯地域での関連する知見は極めて乏しい。 平成26年度は、タイとベトナムにおいて現地調査を行い、菌根サンプルを採取した。これらのサンプルは現在DNA解析によって菌種の同定を行っている。前年度にボルネオ島のフタバガキ林から採取した土壌サンプルを用いたバイオアッセイ試験を終了し、苗に形成された菌根から現地土壌中の埋土胞子群集を推定した。イボタケ科やニセショウロ科などの菌種が検出されたものの、滅菌土壌を用いた対照区にも菌根が形成されていたことから栽培環境下でのコンタミネーションの可能性がある。現地国で実験植物の十分な栽培環境を得られなかったことが原因であり、栽培環境を改善して再実験を開始した。タイとベトナムで採取した土壌サンプルでも、菌根菌埋土胞子を調べるためのバイオアッセイ試験を開始した。さらに現地の研究者を日本の研究室に受け入れて解析技術指導を行ったほか、インドネシア人留学生を大学院生として受け入れ、専門家としての養成を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東南アジアの菌根菌について予定通りの現地調査が行われ、バイオアッセイ実験の一部は栽培環境を改善して再実験が必要になったものの、おおむね順調な進行状況と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り研究を実施する。
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