2014 Fiscal Year Annual Research Report
大域的超低エネルギー化を実現するLSI抽象モデルと上位下位統合化LSI設計技術
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25280017
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
戸川 望 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30298161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 晋二 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20183303)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高位合成 / 低エネルギー / 低消費電力 / LSI抽象モデル / 統合化アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度には,平成25年度に構築したLSI抽象モデルをもとに,以下の研究課題(IV-1)ならびに(IV-2)に取り組んだ. (IV-1) 低エネルギー統合化LSI自動設計技術の構築 (フェーズ2-クロック制御): 一般に集積回路の消費エネルギーにおいて,クロック木が全消費エネルギーの25%以上を占めると言われる.これを踏まえ「クロック木設計ならびにクロック供給制御」に焦点を当てた.特にクロック『意味結合』モジュールを対象に上位工程と下位工程の双方を採り入れた大域クロック木設計とこれに基づくクロックゲーティングを確立した.意味結合されたモジュールに供給されるクロックタイミングにおいて,上位工程段階でそのタイミングをあわせることを目指し (これを同時実行指向スケジューリング・バインディングと呼ぶ),これをもとに下位工程を実行していくフローとした. (IV-2) 低エネルギー統合化LSI自動設計技術の検証 (フェーズ2-クロック制御): (IV-1) によって提案・構築された低エネルギー統合化LSI自動設計技術のアルゴリズムにおいて,これによって設計される集積回路動作を「形式検証」する.前年と同様に,意味結合・強/弱-物理結合によるLSI抽象モデルが,従来のLSI抽象モデルと数学的に等価であるかを検証した.「類似性」の概念を導入することによってこれを実現した. これら(IV-1)ならびに(IV-2)で構築した技術を計算機上に実装し,各種の応用プログラムに適用することで,低エネルギー化設計技術の評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
すでに最大40%の低エネルギー化設計技術を確立しており,計画以上に研究が進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度には,平成25年度・平成26年度の成果を踏まえ,さらに (V) 低エネルギー統合化LSI 自動設計技術の構築・検証(フェーズ2-周波数制御) に取り組む.
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Causes of Carryover |
平成26年度もアルゴリズムレベルの研究開発を中心に行った.理論的な研究であり,そのため当初予定していた設計環境の導入を見送り次年度使用額が生じた.なお,現有資産を用いたシミュレーション実験を多数行い,昨年に引き続き開発は当初予定より進んでいる状態である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度には,チップ試作や多数のPCを用いた評価環境の構築などを通し,実アプリケーションの評価環境を提案技術の有効性を評価する.
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Research Products
(11 results)