2013 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルファブリケーションと情報科学的アプローチの融合による無線WSN設計
Project/Area Number |
25280027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅見 徹 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (00436560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 圭博 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授(Associate Professor) (80401248)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高速プロトタイピング / 無線センサネット |
Research Abstract |
本年度は銀インクを用いた市販プリンタでのラピッドプロトタイピング手法の基盤構築を行った。ラピッドプロトタイピングの基盤の構築において最も大きな技術課題は、銀ナノインクの導電性の向上であった。市販の銀ナノインクを市販のインクジェットプリンタと組み合わせて利用する場合、焼結不要なインクを使ったとしても得られるシート抵抗値は0.2-0.4Ω/□程度であった。多くのアプリケーションにとってこれは十分な抵抗値であるものの、ロスの少ないアンテナや極細線での部品結合を目指す場合、さらにこれから一桁少ない抵抗値を得ることが必要になる。 これを実現するためには、理論的にはインクを厚塗りすることで解決するが、専用プリンタを用いない限りは通常は実現が難しい。そこで本研究ではLinux用のオープンソースプリンタであるGutenprintを利用して、度重なる塗りをソフトウェアの制御のみで実現することに成功した。化学焼結インクを用いる場合、溶剤が紙基材に吸い込まれる速度も重要になるため、塗れば塗るほど導電性が増加するというものではない。約6回の塗りで1/5の0.05Ω/□まで抵抗値を下げることに成功している。 さらに、Proof of conceptとして、時間領域の信号反射を用いたタッチセンサを作成するソフトウエアを本基盤を用いて製作した。自己相似の特徴を持つ疑似ヒルベルト曲線を任意のポリゴン中に満たすアルゴリズムを考案した。これにより折り紙の要領で立体的な構造の表面を覆うようなタッチセンサを作ることが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進んでおり、計画書の通り推進する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入予定だった3Dプリンターと消耗品に深刻な不具合が見つかり、メーカーの改良を待っているため、発注が遅れたため。 3Dプリンターを使用するところを既存設備であるレーザー加工機で代替することにより、当面の研究を遂行する。3Dプリンターに関しては、機種選定のやり直しを行っている。
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