2014 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルファブリケーションと情報科学的アプローチの融合による無線WSN設計
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25280027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅見 徹 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (00436560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 圭博 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (80401248)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高速プロトタイピング / 無線センサネット |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度においては、従来設計の最適化が困難だったアンテナの設計について遺伝的アルゴリズムを用いた設計手法を確立することができた。通常、アンテナの設計は、専門家が直感や経験をもとに修正し、用途にあったアンテナを設計する試行錯誤的な手法が頻繁に用いられている。この手法で設計を行った場合、設計に長い時間がかかるだけでなく、適切な設計が得られるとは限らない。この問題に対して、近年、遺伝的アルゴリズム(GA)と電磁界シミュレーションを組み合わせることにより、アンテナを自動設計する手法が提案されている。GA を用いることにより、まだ明確な解決手法がないアンテナ設計問題に対し、演繹的な手法でアンテナの構造を最適化することができる。しかし、GA を用いた場合、非常に多くのアンテナ解析が不可欠であるが、電磁界シミュレータによるアンテナ解析には長い時間を要する。 そこで本研究では、インクジェット印刷技術を用いてアンテナを短時間で実装し、実測値を用いて評価することにより、高速な設計を実現するアンテナ構造最適化手法を提案する。評価指標が直接シミュレーションで得られない場合には、複数の指標によって間接的に評価を行うしかなかったものの、提案手法では実機評価を用いるため、受電電力や受信電圧などの比較的容易に測定が可能なパラメータであれば、正確な結果を用いて各個体を評価できる利点も有する。 今回の最適化においては,ダイポールアンテナ形状の特徴量として、エレメント左端の太さ、右端の太さ、エレメン トの長さ、曲げ回数、曲げ開始の位相、正弦波の振幅を用いた。GA の流れとしては、最初に初期世代の設定(初期 世代人口数50)を行う。次に実装したものを測定することより個体を評価し、終了条件を満たせば終了する。満たさなければ、次世代の個体を生成し、評価を行う。以下、終了条件の確認、次世代の生成、個体の評価を繰り返す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗は概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
これから電波による無線電力伝送以外の分野にも応用していくことを目指す。システム全体としての最適化を実施する他,3次元構造や銀インク以外の素材についても検討する.たとえば、3Dプリンタと導電性素材を組み合わせたりすることで新素材のプリントによる実装と最適化についても検討を行う。
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Causes of Carryover |
研究の進捗の変更により、シミュレーション用サーバの購入を検討したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度の進捗状況に合わせて、シミュレーション用サーバの購入を再検討する。
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