2014 Fiscal Year Annual Research Report
センシング粒度調整とゲーミフィケーションに基づく高効率ユーザ参加型動画センシング
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25280031
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
安本 慶一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (40273396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 豊 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (30424203)
玉井 森彦 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (90523077) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 参加型センシング / 動画センシング / ゲーミフィケーション / スマートフォン / センサ情報処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,(a) 対象エリアにおけるホットスポットの発見と各地点におけるセンシング粒度の決定法の考案と実装,(b) 粒度可変センシング機構・最適動画選別機構の設計と実装,(c) ゲーミフィケーションに基づくインセンティブ機構の考案・実装を前年度から継続して実施した.また,これらを組み込んだ,(d) スマートフォン向けユーザ参加型動画センシングミドルウェアの構築に着手した. (a),(b)に関して,モバイルノードが一定距離間隔で画像を撮影・解析し,興味対象が検出された地点を PoI(興味地点)としてサーバに記録するとともに,これから通過する道の PoI 密度が高いほど,画像撮影・解析の間隔を短くする機構(多段階センシング)と高PoI密度付近の動画を切出す機構を実装した. (c) に関しては,ゲーミフィケーションに基づいたインセンティブ機構を組み込んだ参加型センシングシステム(昨年度に実装)の被験者実験結果に基づき,タスクの難易度,参加者のレベル,ゲーミフィケーションの各機構の有無による影響を調査し,各ユーザに依頼した時のセンシング成功確率を予測するモデルを構築した.(d)に関しては,サーバ側ソフトウェアとiOSを対象としたクライアント側ソフトウェアからなるシステムおよび各種APIを備えたミドルウェアの構築を進めている.(a)-(d)のアプリケーションとして,桜の花の多さを「桜度合い」として指標化し,自動車走行中に車載スマートフォンで撮影した画像から,道路沿いの桜度合いを実時間で算出しその数値が高い地点の動画を切り出して地図上に共有するシステムの構築を進めている. 上記の研究の成果は,国際ワークショップACM HotMobile 2015で発表した.また,DPSワークショップ2014,第72回MBL研究会で,それぞれ,デモ,論文を発表し,ベストデモ賞,優秀論文賞を受賞した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,(1)地点ごとの最適センシング粒度を自動で決定し,必要な地点の動画を必要十分な粒度で取得する仕組み,(2)コンテンツ解析に基づく最適な動画の選別機構,(3)センシング時間の短縮に向けたゲーミフィケーションに基づくインセンティブ機構を備えた新しい参加型センシングのフレームワークを開発することを目標としている. このうち,平成26年度の研究開発において上記(1)-(3)の全ての研究項目を大幅に進めることができ,完成度が高まった.本課題に直接関係する成果として,研究会発表1件, 査読有国内ワークショップ1件,査読有国際ワークショップ発表1件を行い,2件の受賞があった.また,関連する成果として,論文誌/学会誌 3件,国際会議論文 2件が採択された.以上より,2年目の研究は順調に進展しており,目標通りの研究成果が得られたと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度以降は,(1) 粒度可変センシング機構のシミュレーション評価,(2) インセンティブ機構のシミュレーション評価を行う予定である.また,スマートフォンへの粒度可変センシング機構およびインセンティブ機構の実機実装を進め,これらの機構を組み込んだ,(3) ユーザ参加型センシングミドルウェアを完成させることを予定している. ミドルウェア上に構築するアプリケーションとして,(3) 桜の開花状況や渋滞状況をリアルタイムに識別し地図上での情報の共有と動画の共有を行うシステムの実現・評価に向けた検討を進めていく.
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Causes of Carryover |
ミドルウェアの開発および参加型センシングにより収集したデータの分析・可視化のためには,高性能な計算機が必要である.より最新・高性能な計算機をより安価に購入し,研究の進展をはかるため,H26年度は,ミドルウェアの設計と既存計算機を用いた基本部分の開発に留め,H27年度にミドルウェアの本格的な開発,および,収集データの分析・可視化のための高性能計算機を購入することとした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ミドルウェア開発と収集データの分析・可視化のための高性能計算機および周辺機器を購入する.また,ミドルウェア開発,データ分析,アプリケーション開発のため,開発補助員の謝金に利用する.
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Research Products
(6 results)