2014 Fiscal Year Annual Research Report
車両通信における条件ベース情報収集・分配手法とシミュレーション評価基盤
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25280032
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
重野 寛 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30306881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 謙一 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80118926)
松本 修一 文教大学, 情報学部, 准教授 (60389210)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高度道路交通システム / 次世代交通システム / ネットワーク / 移動体通信 / 車車間通信ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、初年度の道路網構造を考慮した車両間での情報分配手法に関する成果を踏まえ、車両交通状況に着目し、道路網構造と通信コネクティビティを考慮した条件ベース情報収集・分配手法を提案した。都市部の道路網における通信性能についてシミュレーション実験により、提案の有効性を評価した。また、交通流シミュレーションとネットワークシミュレーションを統合的に実施する双方向シミュレーション環境の実現方法について検討した。 文献調査等を通じて、都市部を想定した道路網と交通モデル、VANETをベースとした動的走行経路制御手法、情報収集・分配のための地理ベースのVANET経路制御・転送手法手法について調査した。 都市部の道路網を対象としたシミュレーション・モデルを検討し、道路網モデル、建物等を考慮した無線伝播モデルについてまとめた。分析や性能評価のために世界10都市の道路地図データを整備し、シミュレーション評価に導入した。初年度に構築した片方向シミュレーション環境を基本として双方向シミュレーション環境を構築するための実現方法を検討した。 都市部の複雑な環境において、車両交通状況よっては車両密度が低下して通信コネクティビティが失われる問題に着目し、道路網構造と通信コネクティビティを考慮した条件ベース情報収集・分配手法を提案した。都市部の道路地図データ、建物を考慮した電波伝搬モデル(ITU-R P.1411)を含むシナリオを用いたシミュレーション評価を実施し、通信到達性、総中継量、通信遅延の観点から既存方式と比較評価を行い、提案方式の有効性を示した。加えて、交差点分布の分散に着目した道路網構造の複雑度分析手法を提案し、車両間ブロードキャストへの影響をシミュレーションにより評価した。また、アドホックネットワークにおけるノード信頼度の評価手法とセキュア経路制御への応用についても検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
道路網構造と通信コネクティビティを考慮した条件ベース情報収集・分配手法を提案し、シミュレーションにより評価した。また、10都市以上についての道路地図を整備し、都市部の建物の影響を考慮した電波伝搬モデルを導入したシミュレーションを実現している。双方向シミュレーションを実現手法について検討を進め、試験的な実装ができつつある。したがって、全般として概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果を踏まえ、研究計画に基づき推進する。
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Causes of Carryover |
購入したシミュレーション用データサーバとシミュレーション開発マシンについて、計画時から機種変更をした結果、単価が低くなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は主として、国際会議等での発表のための費用、あるいは,研究協力者への謝金として使用する予定である。
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