2014 Fiscal Year Annual Research Report
シナジー効果を加速するソフトウェアとハードウェアの協調設計基盤
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25280041
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
滝沢 寛之 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (70323996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 広明 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 教授 (40205480)
青木 孝文 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (80241529)
佐野 健太郎 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (00323048)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際情報交換(米国) / アクセラレータ / GPU / FPGA |
Outline of Annual Research Achievements |
高性能計算から画像処理まで、規模の異なる様々なシステム構成で利用可能なプログラミング環境を実現するために、ファイルシステムを含むメモリ階層全体を考慮してデータ管理やデータ移動を設計できる必要がある。このため、特にファイル上のデータとアクセラレータのメモリ間のデータ転送の効率化を対象とし、OpenCLとMPIとファイルI/O関数との組み合わせによって効率的なデータ転送を実現する研究を行った。OpenCLを拡張し、そのイベント管理機構をノード間通信やファイルアクセスにも利用することにより、データ間の依存関係を意識しつつ、適切な組み合せでデータ転送を実現できることが示された。 また、高性能計算および画像処理の両分野で多用されるステンシル計算を主な対象と考え、それを高効率に実行するハードウェアの設計のためのプログラミング環境を検討した。ステンシル計算のように規則性の高い処理のハードウェアを設計する場合、その構成には類似性が見られる。しかしながら、通常のハードウェア記述言語では低い抽象度での記述が求められ、開発の生産性が低くなってしまう。この問題に対してステンシル計算用アクセラレータを高い抽象度で記述するための言語を設計し、その言語処理系を開発した。その結果として、アクセラレータ設計の多くの部分を自動化、半自動化することができた。 さらには、並列性やメモリアクセスパターンに基づいて処理を分類し、それぞれに対応するプログラムの構成要素を事前に用意することで、多様なアクセラレータで実行されるカーネルを高い抽象度で記述することを目指し、そのためのドメイン特化型言語の設計も行っている。プログラムの部品をソフトウェアとして事前準備するのと同様にハードウェア側でも必要な構成要素することで、それらの組合せによって各アプリケーションに対して適切なアクセラレータを構成できるものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
それぞれのサブテーマに関して順調に論文発表が行われている。OpenCLの拡張に関する研究成果をまとめた論文が国際論文誌に採録決定している。また、ステンシル計算向けのハードウェア設計環境に関してもいくつかの成果を発表している。まだ対外発表されていないが、ドメイン特化型言語の設計と評価も進んでおり、今後の成果を期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、最終年度に向けてこれまでの研究成果を統合して行く予定である。
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Causes of Carryover |
購入を予定していたハードウェアを利用可能な体制を構築するのが、当初予定よりも遅れたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度に必要なハードウェアを購入する
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