2013 Fiscal Year Annual Research Report
違和感画像CAPTCHA:3DCGを用いた究極のチューリングテストとその応用
Project/Area Number |
25280046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
西垣 正勝 静岡大学, 情報学研究科, 教授 (20283335)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | CAPTCHA / 違和感 / 3DCG / 認証 |
Research Abstract |
CAPTCHAとは人間と機械を識別するチューリングテストであり、コンピュータには解読できないが人間ならば簡単に解くことができる問題を、コンピュータが無数に自動生成できることが実装上の要件となる。しかし、「コンピュータには解読できない問題」をコンピュータに自動生成(および正誤判定)させることは根本的には不可能である。本研究は、3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)技術を巧みに駆使し、人間だけが「違和感」を感じる画像の自動生成を達成することによって、マルウエアに対する高い攻撃耐性とWEBシステムとしての十分な可用性を有する「違和感画像CAPTCHA」を実現する。 具体的には、3DCG技術を巧みに駆使することによって、人間だけが違和感に気付く画像の自動生成を達成する。一般的に、3次元モデルから2次元画像を生成することは可能であるが、2次元画像から3次元モデルを再現することは(1次元分の情報が落ちているため)不可能である。この不可逆性を活用し、「コンピュータが問題を作成することは可能であるが、その問題を解くことができない」という要件を満たす違和感画像をコンピュータ自身に自動生成(および正誤判定)させる。 平成25年度は、2体の3次元オブジェクトをめり込ませることによって、世の中には存在しないオブジェクトを自動生成するという方法(めり込みCAPTCHA)を発案した。また、3次元オブジェクトとCAPTCHAの関係を検討していく中で、人間の認知処理の一つであるメンタルローテーションを利用した3次元CAPTCHAを強化する方式(拡張型メンタルローテーションCAPTCHA)に関する発想を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に従い、適切な背景画像の上に複数の3次元オブジェクトを置き、その中に含まれる特定の3次元オブジェクトのサイズを変更することによって、ユーザ(人間)に遠近感を覚えさせるタイプの違和感CAPTCHAのプロトタイプの実装を試みた。しかし、背景画像の絵が遠近感に関する違和感の表出を左右させることに鑑み、背景画像なしで違和感を表現させる方法を模索した。この結果、めり込みCAPTCHA(2体の3次元オブジェクトをめり込ませることによって、世の中には存在しないオブジェクトを自動生成する方式)および拡張型メンタルローテーションCAPTCHA(人間の認知処理の一つであるメンタルローテーションを利用した3次元CAPTCHAを強化する方式)という当初想定した以上の着想を得るに至った。よって、達成度は「概ね順調に進展している」に区分されると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究成果を引継ぎ、めり込みCAPTCHAに関しては、3次元オブジェクトのめり込ませ方の違いが違和感に対してどういう影響を与えるかについて研究を深めていく。拡張型メンタルローテーションCAPTCHAに関しては、3次元オブジェクトに対する加工の方法が認識率にどういう影響を与えるかについて研究を進めていく。
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Research Products
(6 results)