2013 Fiscal Year Annual Research Report
精緻な作業を可能にする高精細裸眼立体ディスプレイの研究
Project/Area Number |
25280070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
掛谷 英紀 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70334050)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ディスプレイ / バーチャルリアリティ |
Research Abstract |
本研究は、医療シミュレータのように、精緻な奥行き知覚と高精細な映像提示が要求される分野を想定し、そこでの応用に耐えうる高品質の立体映像提示を実現する裸眼立体ディスプレイシステムの構築を目的としている。 昨年度は、上記の目的を達する方法として研究実施計画で提案していた2つの手法(レンズアレイを用いた指向性バックライトによるフルハイビジョン裸眼立体ディスプレイと、4時分割パララックスバリアを用いたフルハイビジョン裸眼立体ディスプレイ)のいずれについても、プロトタイプシステムを完成させた。 前者については、クロストークの無い視域を理論的に導出し、実機において理論値を実験的に確かめた。また、大口径レンズアレイの挿入と追加レンズアレイの挿入による視域の拡大方法を提案し、視域拡大範囲の理論値を導出するとともに、前者の大口径レンズアレイについては、実際に実機に導入しその効果を確かめた。また、実用面での要求のため、バックライトとして高輝度なものを用意し、輝度の高い裸眼立体映像を提示できるよう装置の改良を行った。 後者については、液晶モニタを重ねて実現するパララックスバリアにおいて、モアレの発生を抑制する方法を提案・実装するとともに、4時分割でフリッカーとクロストークの発生を抑える時分割アナグリフパララックスバリアの導入方法を提案し、被験者実験にてその有効性を確かめた。 装置の開発と並行して、医療手術シミュレータに用いる予定の肝臓のデータを、実際に制作したプロトタイプ上に表示し、その画質について医療関係者の評価を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように、研究実施計画で提案した2つの方式のいずれについても、実際にプロトタイプシステムを製作し、それぞれ動作する段階まで開発が進んでおり、研究計画は順調に遂行されていると評価されてよいと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在生じている画像の輝度ムラの改善など、ディスプレイ装置としての完成度を高めるとともに、手術シミュレータソフトウエアとの統合を進め、実際に現場で応用できるシステムを構築する予定である。また、バックライトに自発光型のものを導入し、ハードウェアの消費電力の低減も進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究がより進んだ段階で、装置の完成度を高めるための大型投資を行うため。 輝度ムラ低減や視域拡大のためのレンズアレイの改良、装置の消費電力低減のためのバックライトの改良などのハードウェア改善に使用する計画である。
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Research Products
(8 results)