2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25280072
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
広田 光一 東京大学, 大学院情報学環, 准教授 (80273332)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 手モデル / 有限要素法 / 触力覚計算 / ハプティックレンダリング / 変形計算 / 触力覚フィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 手の形状計測手法の開発 これまで手指の関節角の計測にはデータグローブ(手袋型の曲げ角センサ)を用いていたが、計測自由度が手の自由度と比べて少ないことや、手の変形、手とセンサの間のすべり、装着の誤差などにより、精度の良い計測が難しかった。手形状の誤差は、把持操作における操作性に影響を与えることが懸念される。本研究では、爪(5箇所)および掌(1箇所)に位置・姿勢を計測するセンサを装着し、これらの計測値から手指の曲げ角を推定する手法を提案した。爪は指の末節骨と比較的高い剛性で接続していることから、近似的に末節骨の位置・姿勢を計測することができる。掌は広い面積で装着することができることから、法線方向については比較的安定な計測が可能である。これらの計測値に対して手のリンクモデルのフィッティングを行うことで、関節角を推定する。予備的な実験により、ある程度妥当な推定値を実時間で得ることができることを確認した。
(2) VR操作環境の構築 前年度に構築した手モデルと物体との相互作用および物体の運動計算を導入することで、把持操作を実現した。GPUによる計算処理の改善によりおよそ100Hzの更新レートが得られた。ただし、このレートは操作には必ずしも十分とは言えず、シミュレーションの安定性のために接触と運動のアルゴリズムの改良を必要とした。操作には立体視による奥行認識や、VR手と実際の手との空間的な一致などの空間性や身体性が影響を与えると考えられる。このため、ミラーを利用して立体像の提示領域と操作領域を一致させるディスプレイ/操作環境を構築した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
接触状態の計測とモデル化については、実指において実験条件を管理することが難しく、対応を検討している。インタラクション環境の構築については、手の形状計測が予想以上に良好であり、十分に達成されたと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
構築されたインタラクション環境を用いて、モデルの評価と改良を行う。摩擦モデルについては、その精緻化が操作性に与える影響について検討して、実験方法を再考する。
|
Causes of Carryover |
インタラクション環境の構築における手形状の計測手法の検討で予定されていた小型センサの購入が遅れたことにより、次年度使用額が生じた。計測手法の理論的検討を優先し、実用的には利用が難しい大型のセンサ(既存)を利用して実験を行ったため、今年度の検討の範囲では、小型センサの購入を急がなくても研究の実施に支障がなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
操作性の評価には小型センサが必須であり、次年度に購入を計画している。
|
Research Products
(3 results)