2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25280074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
木島 竜吾 岐阜大学, 工学部, 准教授 (80283282)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バーチャル・リアリティ / ディスプレイ / 微細光学素子 / 再帰透過 / 再帰反射 / プロジェクター |
Research Abstract |
再帰透過構造の内、現時点で有望であると考えられる張り合わせ型片ミラーアレイに絞り、試作品を設計、製作した。現在までに、(1)1mmピッチ高さ1.5mmのメッシュ、(2)200umピッチ高さ100umのメッシュ、(3) 1mmピッチ高さ1mmのメッシュの3種類の同様の構造の張り合わせ型片ミラーアレイを実現、入手し、その結像性能を評価するとともの、既存の他の構造との比較を行った。なお、(1)は2枚のルーバーミラーが直交して張り合わされたもの、(2)、(3)は両者が分離しており、張り合わされていないものである。 まず、理論的な面から再度考察を行った結果、張り合わせ型片ミラーアレイ構造の利点は、(1) 光路が片側に限られるため、ミラー2面のなす角が厳密に90度でなくても、結像に誤差(ぼけ、乱れ)が出にくい、(2) V字型の溝や角を作り、コーナーミラーとして利用する場合には、重要な底(稜線)部分にRがつくなど、製造が難しいが、片ミラーアレイ構造ではこの点を気にする必要がない、ということがが判った。特に、結像性能に関わる(1)について実験により検証を行った。すなわち、2つの平行ルーバーミラーアレー板を90度に直交させたうえで、片側を回転させて像のボケを観察した。像のボケは生じず、大幅に角度をずらした場合には視野が狭まるという、理論面から予想されたとおりの結果であった。(2)の200umピッチのものについては、各平行ルーバーミラーアレーを通過する際に回折が生じ、この影響でボケが大きかった。レーザプロジェクタ、製作したピンホール像プロジェクタにより、ボケの主な原因は回折であることをおおむね証明できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
性能面の評価だけでなく、実現可能性(製作方法)の検討が進み、構造の候補を主に張り合わせ型片ミラーアレイにしぼることができた。実際の試作を通じて、微細構造製作に特有の問題や困難についてのノウハウが溜まって来た。理論面の検討と実験による検討を合わせて、直接は観察出来ない現象(光の状態)を像として多面的に検討することで、着実な進歩が見られる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ、構造の候補を張り合わせ型片ミラーアレイに集中し、いくつかの製作方法及びパラメトリックスタディを行う。現在までに作成、検証した光学計算ライブラリを用いてシミュレーションを行うことで設計検討を行うとともに、製作業者へのヒアリングを継続し、現実的に可能な試作方法を探求し、製作方法の違い、性能を支配する寸法の違いにより発生する結果の相違を解釈し、性能をコントロールする方法を確立する。
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[Presentation] いま改めてHMDを考える2013
Author(s)
簗瀨洋平, 木島竜吾, 清川清, 柳田康幸
Organizer
第18回日本バーチャルリアリティ学会大会
Place of Presentation
大阪ナレッジキャピタル
Year and Date
20130919-20130919
Invited
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