2013 Fiscal Year Annual Research Report
異種の機能的構成物モデルのための共通枠組みと統合モデリングツールの開発
Project/Area Number |
25280082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
来村 徳信 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (20252710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 理一郎 北陸先端科学技術大学院大学, サービスサイエンス研究センター, 教授 (20116106)
笹嶋 宗彦 大阪大学, 産業科学研究所, 特任研究員 (80402999)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 人工知能 / オントロジー / 知識モデリング / 機能 |
Research Abstract |
「機能」概念は,人工物や生体などに加えて,社会的組織やサービスをモデル化する際にも鍵となる概念である.現状ではこれらの対象物や学問分野ごとにさまざまに機能概念が定義されているため,対象物のモデルを分野を越えて統合的に記述したり,相互運用することができない.本研究の目的は,まず,これらの対象物を「機能を発揮する部分から構成されるもの」(機能的構成物)と捉えて,そのモデル記述のための共通枠組みをオントロジーとして構築することである.さらに,そのオントロジーに基づいて,統合的にモデリングできる計算機ツールを開発する. 初年度である本年度では,人工物と生体器官の機能の2つに焦点を絞り,両者に共通するコア機能概念を同定し,明確に定義することを目指して,以下の項目について研究を行った.まず,科学哲学研究における人工物と生体器官の機能に関する知見と設計工学研究における人工物の機能に関する知見のうち,工学的に意義深いものを抽出した.次に,共通コア機能概念の鍵となる「機能コンテキスト」概念の様々な成り立ちについて,人工物に加えて生体についても,ゴールと意図の関係性を中心に,考察を行なった.その結果,共通コア機能概念の候補として,「コンテキストの下でシステムのゴールに貢献する部分の振る舞いが果たす役割(ロール)」(「システミック機能」)をさらに精密に定義した.この結果を,科学哲学分野で提案されている,機能概念の定義が満たすべき性質のセット(desiderata)を,満たしているかどうかを考察し,共通コア機能概念となりうることを検証した.最後に,システミック機能を構成する概念を体系的に定義し,計算機的に定義した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的は非常に大きいチャレンジングな課題であるため,年度ごとに達成すべき項目を事前に定めてある.本年度はその計画を順調に達成した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では,事前の計画通り,対象をさらに社会的組織やサービスにおける機能に拡大し,考察を進める予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度では,計画していた出張を日程の都合で取りやめることにしたこと,また,ソフトウェアツールの開発状況に鑑みそれほど緊急ではない備品への支出を控え,次年度において購入することにしたことにより,次年度使用額が生じた. 備品を適切に購入するとともに,ソフトウェアツールの開発と改良に使用する予定である.
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Research Products
(4 results)