2013 Fiscal Year Annual Research Report
多変量生体信号処理による食品感性分析に基づく食品デザイン技術の構築
Project/Area Number |
25280098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
阪田 治 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (30391197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐竹 隆顯 筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (00170712)
松田 兼一 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (60282480)
谷本 守正 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (60621323)
鈴木 裕 山梨大学, 総合分析実験センター, 助教 (40516928)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 食品感性 / 生体信号処理 / 食品デザイン / 情報システム / 栄養療法 |
Research Abstract |
初年度において、次の4点に重点を置いて研究を行い、一定の成果を得た。1.異種の生体信号・生体情報が混在する食品感性データマイニング技術の理論研究、2.医療診断技術を転用した新しい食品品質デザイン技術の開発、3.消化管活動を指標とした食品と個人体質・体調とのマッチングの定量評価技術の開発、4.重症患者のための栄養療法の一環としての腸蠕動運動解析技術開発とその臨床試験、の4点を同時並行的に遂行した。 1.については、知識情報処理と機械学習を有機的に混在させたデータマイニングおよび意志決定の理論の考案に取り組んだ。2.については、超音波断層動画像から悪性腫瘍の非侵襲診断を行う医用画像処理技術を転用し、弾性食品の食感を自在に設計するための基礎技術の開発を行った。3.については、腸が食品の消化を行う様子を定量的に把握することで、個人の体調・体質に対する調査対象食品の適合度を判定するための基礎実験を行った。4.については、重症患者の摂取する食品や薬品のオーダーメイドデザイン法を確立するための基礎研究として、腸蠕動運動強度の定量分析技術が患者の体調診断にどれほど有効なものであるのかについて臨床実験を行った。特に4.においては、我々が開発した腸音解析システムを用いて重症敗血症患者の腸蠕動運動をリアルタイムに連続測定し,敗血症の重症度に関与する血中Interleukin-6(IL-6)血中濃度の経時的変化との相関を検討し、その結果蠕動運動はIL-6血中濃度が高いほど抑制されることが示された。そして、本モニタリングシステムが,重症敗血症患者において腸蠕動運動を連続的,定量的,非侵襲的に評価する方法として有用であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
複数の生体信号・生体情報を混在させた食品感性定量化技術の確立が本研究課題の中の大きな目標の一つであるが、現在のところ、消化器系生体信号活用の部分に対して、脳神経系信号と自律神経系信号の活用に対して研究が遅れている。メンバーの研究エフォートの大幅減と研究補助者の減少が主たる原因である。その点の遂行力減を考慮に入れて評価するならば、当初進捗速度に対してさほど遅れがあるとは考えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
全体の研究計画に照らして進捗が少々遅れ気味ではあるものの、研究メンバーそれぞれが時間を有効に利用して適宜計画事項の順番を前後させながら、概ね申請書にある研究計画内容に沿って進める予定である。特に、2年目は成果概要にある「1.異種の生体信号・生体情報が混在する食品感性データマイニング技術の理論研究」と「2.医療診断技術を転用した新しい食品品質デザイン技術の開発」の完成、および医療分野における食品・薬品デザイン技術開発の大きな進展が期待できる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
全体の研究進捗の遅れにより、旅費支出予定である国際会議等での成果発表のスケジュールにも遅れが出たため。および、購入予定品の高性能新製品の翌年度以降発売情報を入手したことにより、当該装置を使用する研究計画を後回しにしたため。 成果発表については、研究進捗に伴って今年度中に旅費支出を行う予定である。研究備品の新製品については、今年度に発売予定ということなので、入手可能になり次第支出する予定である。
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