2014 Fiscal Year Annual Research Report
多変量生体信号処理による食品感性分析に基づく食品デザイン技術の構築
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25280098
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
阪田 治 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (30391197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐竹 隆顯 筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (00170712)
鈴木 裕 山梨大学, 総合研究部, 助教 (40516928)
松田 兼一 山梨大学, 総合研究部, 教授 (60282480)
谷本 守正 山梨大学, 総合研究部, 教授 (60621323)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生体信号処理 / 感性 / 食品物性 / デザイン / 情報処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
【食品感性計測】 阪田・佐竹・谷本が中心となり、直感的な感性(歯ごたえ、食後の腹の調子)を刺激する食品デザイン技術の開発を進めた。また、ペクチンゼリーを用いて食感(喉ごし)をコントロールする諸条件の検討などと実施した。ただし、直接的な感性データ取得については、試験的に行うにとどめられた。 【食品デザイン】 従来の感性研究よりもさらに直感的な感性に訴える食品デザイン技術の検討が行われた。寒天ベース加工食品、米麺、小麦粉麺、チーズ等に関する新しい加工・デザイン技術の研究開発を行った。感性計測の項目のペクチンゼリーの研究はこちらにも該当する。 【医療応用】 本プロジェクト内で継続研究開発中の長時間腸音モニタリングシステムを援用した重症患者のための栄養療法や投薬に関する研究が行われた。消化器官(主として小腸)の動きの定量分析を指標とした重症患者の薬剤への反応についての調査が行われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画は一部を除き、遅れている。研究課題の中核を担う代表者の阪田が、H26年度に極めて負荷の大きな大学運営業務を課されていたこと、および研究補助者である阪田研究室の大学院生の約半数が休学・病気等により研究から離脱していたことが主たる原因であると考えられる。比較的阪田の寄与分の小さな部分(食品デザイン・加工技術開発、医療応用)については、さほど大きな遅れは見られない。
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Strategy for Future Research Activity |
不可抗力的事情により当初計画が遅れてしまっているため、次年度は遅れている部分を優先して進め、当初計画の遂行を目指す。生体計測技術開発と食品デザイン技術研究および臨床医療応用研究が、感性計測に対して比較的進んでいる状態であるため、次年度は感性計測に重点を置いた時間配分で研究を進める。特に、デザイン対象とする食品種類の幅を広げ、摂食途中の感性計測に重点を置く。さらに、複数生体信号の同時計測および統合分析について、これまで2種類程度の試みであったものを、3種類以上の生体信号・生体情報の組み合わせとして、より複雑化した分析に進化させる。 医療応用については、前年度に行った研究について母集団をさらに増やし、得られたデータを解析し、重症患者の腸蠕動運動の重症度による違いを検討する。また、腸蠕動運動促進薬や昇圧薬投与と腸蠕動運動パターンとの相関の有無を検討する。さらに、嘔吐、胃内容物逆流、誤嚥性肺炎など経腸栄養継続を妨げる合併症と腸蠕動運動のパターンとの相関についても検討する。
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Causes of Carryover |
研究進捗の遅れに伴い、実験用備品類の購入時期を先送りにしたため。および、研究代表者の研究エフォートの低下に伴う国内・国際会議発表数の低下による旅費支出減少が、主たる原因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定されている研究計画を遂行することにより、先送りされている実験用備品類の購入を次年度に行う。加えて、現時点で予定数より少ない代表者の国際会議等での研究発表やその他の学会発表を次年度に実施するために、その旅費として支出する。
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