2014 Fiscal Year Annual Research Report
音声韻律・脳血流データのベイジアン・マイニングに基づく認知症の早期スクリーニング
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25280100
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 昇平 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70311032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 昭 社会福祉法人浴風会認知症介護研究・研修東京センター, その他部局等, その他 (40081707)
遠藤 英俊 独立行政法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, その他 (80501121)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 認知症スクリーニング / 脳血流解析 / 発話音韻解析 / ベイジアン・マイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は以下の項目について研究を実施した。 1)MCIサブタイプの脳血流比較 昨年度から臨床データ採取を継続して実施し、計42名(年齢64〜93歳,男性14名,女性28名,うち、健常12人、MCI19人、軽度AD11人)に対して音声・fNIRS同時計測データを収集した。さらに、MCI群を健忘の有無に注目してサブタイプ分類し、健忘を伴う群(A-MCI)9名と健忘を伴わない群(N-MCI)10名に分割した。認知症の前段階とも呼ばれるMCIの中でも、A-MCIは、その後アルツハイマー型認知症に進行する症候群として近年の臨床医学界にて注目されている。そこで、この群を弁別するスクリーニング技術開発の可能性を検討するために、健常群・N-MCI・A-MCIの3群で脳血流賦活の有意差検定を行った。日常会話(5分:季節、旅行、グルメ、暮らし)を課題実施中の脳血流を統計比較したところ、健常群の高齢者はA-MCI群の高齢者に比べてより広範囲かつ高レベルに脳機能を活用することを示唆する結果を得た。 2)地域高齢者の健康状態、日常生活能力、および、認知機能の把握調査 名古屋市緑区鳴子地区に在住する高齢者を対象に、生活環境、健康状態、日常生活能力等の状況調査を実施している。本研究では、これに加えて認知機能を確認するための認知テストを課し、課題実行時の回答音声ならびに脳血流データを測定、収集、蓄積した。認知機能の確認として4)日時の見当識、5)数字逆唱、6)定型質問(季節、旅行、食事、暮らし)による自由会話、7)語音整列課題(WAIS-III)の簡単な認知課題を課した。開始年度である本年度は24名の高齢者(男性4名、女性20名、52-87歳、平均年齢:75.9±7.7)からデータを採取した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
臨床データの採取に欠かせない、認知症専門医療機関との連携が上手くすすみ、実験データの採取が順調に進んだ。具体的には、fNIRS測定装置および、実験採取場所として、研究分担者の研究機関である国立長寿医療研究センター病院の施設を利用し、当病院への外来患者から、認知症専門医の診察と医学的知見から適切な被験者の選定と被験者からの協力を得ることができた。これに加えて、本年度からは、名古屋市立大学大学院医学研究科・看護学研究科の協力を得て、名古屋市緑区の鳴子地区の高齢者コミュニティを研究フィールドに追加することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、高齢者医療の専門医療機関、および、認知症専門医、言語・聴覚の評価と機能回復のスペシャリスト、ならびに、高齢者の協力が欠かせない。今後も、これらの連携機関・実験協力者と蜜にコミュニケーションを取り、研究を円滑・効率的に進めてゆきたい。
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Causes of Carryover |
物品費として追加購入した光イメージング脳機能計測装置が当初の計画より安価に購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
光イメージング脳機能計測装置の測定周辺機器を補強するか、音声・脳血流データ解析の計算資源の増強に利用する計画である。
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Research Products
(15 results)