2014 Fiscal Year Annual Research Report
マルチソーシャルメディアにおける情報伝播挙動の類型化に関する研究
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25280111
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
豊田 正史 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (60447349)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ソーシャルウェブ / 社会ネットワーク分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、ブログ、マイクロブログ、テレビ等の複数のメディアに対して複数メディア間での情報伝播挙動の分析を行い、その結果を元に情報伝播プロファイル検索・閲覧システムの設計・実装を行った。 ・複数メディア間での情報伝播挙動の分析 平成25年度に行った個別のメディアにおける情報伝播挙動の分析を、複数のメディアにまたがる情報伝播に拡張した。ブログやマイクロブログ(Twitter)のデータ収集を継続して行い、ブログについては合計20億記事、Twitterについては250億つぶやき規模のアーカイブを構築した。同じ話題に関して、メディアによるピークの時間差、情報伝播挙動の特徴量の差を分析し、先行メディアの傾向や、話題の広がり方の傾向に関する典型的パターンを抽出して探索可能なシステムを構築した。本システムを用い、広く拡散した話題について社会的影響力のあるなしを、コンテンツ及びユーザ間のネットワーク構造の特徴を併用して分類する手法を提案した。さらに多言語間での情報伝搬についても分析を拡張するため、言及された頻度の高い情報拡散事例について使用言語を調査し、基礎的なデータセットの構築を行った。 ・情報伝播挙動プロファイル検索・閲覧システムの設計・実装 平成25年度に設計した検索・閲覧システムを実装しそのフレームワークを構築した、まず少規模な事例データベースを構築して、検索・可視化手法のスケーラビリティ、並びにスムースなインタラクションが可能かどうか、実証試験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
情報伝搬挙動の分析については、ブログデータ、マイクロブログ(Twitter)データの収集を継続し、大規模なソーシャルメディアデータセットを構築できた。これらの上で、多メディア間の情報伝搬調査や、社会的影響力による話題分類等の実証実験が可能となっている。さらに多言語間の情報伝搬についても調査を可能とする準備が整った。情報伝搬挙動プロファイル検索・閲覧システムについてもフレームワークを構築できており、全体として概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度も実施計画に基づき、複数メディア間での情報伝搬挙動分析の拡張並びに、情報伝搬プロファイルの検索・閲覧システムの大規模事例データベースによる実証実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初、情報伝搬挙動プロファイル検索・閲覧システムのための大規模可視化装置を購入予定であったが、2015年1月開催の展示会において高解像度ディスプレイ装置の新製品発表が行われ価格が大きく変動することが見込まれることが判明した。これにより今年度中は価格の推移を観察し研究期間全体の成果を考慮した設備導入を検討する必要が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
高解像度ディスプレイ装置及び、高性能ビデオカードの価格推移を見据えて、大規模可視化装置の仕様を見直した上で購入し、情報伝搬挙動プロファイル検索・閲覧システムの開発を行う予定である。この変更により計画全体への変更は生じない予定である。
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