2014 Fiscal Year Annual Research Report
拡張可能なスマートデバイスを用いた生涯学習向け天文教育プラットフォームの開発
Project/Area Number |
25280131
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安田 孝美 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (60183977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 守 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (90367657)
岩崎 公弥子 金城学院大学, 国際情報学部, 准教授 (50345427)
水野 慎士 愛知工業大学, 情報科学部, 教授 (20314099)
浦田 真由 名古屋大学, 国際開発研究科, 助教 (70634947)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | デジタルミュージアム / ヴァーチャルミュージアム / 天文教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,スマートデバイスとソーシャルネットワークの融合による,ミュージアムにおける新たな生涯学習向け天文教育プラットフォームの開発と応用を目的とする.特に,本研究の柱となるスマートデバイスは近年急速に普及が進む情報端末であるが,その情報端末に必要とされる機能や実社会での利活用の場面においては,より一層の教材としての可能性の検討と試作・実証実験に基づく検証が求められている.本研究においては既製の情報端末が抱える機能的制限を取り払い,かつ高度化した分散型クラウドネットワークシステムを基盤とした天文教育のためのプラットフォームを開発する.研究期間2年目となる平成26年度には,下記2点について研究を実施した. ・天文教育用データベースの設計・構築 天文学に関わる広大な時空間情報を有する過去の資源を蓄積し,かつフィールドワークやワークショップの実施により,新たに得られた情報を即時的に教育の現場で利活用可能なデータベースシステムの設計開発を行った.これにより,学芸員のみならず学習者らの収集したデータをもとに新たな教材を適応的に開発可能なデータベースシステムの有効可能性を検証した. ・天文教育のためのスマートデバイス向けアプリケーションの開発 平成24年8月に仕様策定された,次世代携帯端末向け3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)技術であるOpenGL ES 3.0.0を想定した天文教育教材向け3次元コンテンツ教材の開発を行った.従来のPCにおける3DCG技術とほぼ同等の最先端表現が可能なアプリを,天文教育用スマートデバイス教材として開発することにより,屋内外の教育現場における高精細3DCG技術の活用可能性を明らかにした. 以上により,最終年度である平成27年度中盤からの実証実験での本格運用に向けたデータベース開発およびコンテンツ開発を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,次世代スマートデバイスの開発とソーシャルネットワークの融合による生涯学習を考慮した天文教育用プラットフォームの構築を目的としている. 研究期間2年目となる平成26年度には,主に1)天文教育用データベースの設計・構築,および,2)天文教育のためのスマートデバイス向けアプリケーションの開発,を実施した. 1においては前年度に実施した開発ネットワークシステムの試作データベースシステムを拡張し,ア)過去の天文分野に関わる資料の整理・選定を実施し,イ)データ構造の変化に強いXMLデータベースへの蓄積を行った.これにより構築された複数のデータベースに対し,ウ)遠隔地からの複雑な論理演算によるデータベースアクセスを実現するための仕組みを開発したほか,エ)スマートデバイス向けの高度なコンテンツ表現を可能とするXML技術を基盤とするHTML5によるネットワークメディアコンテンツデータベースを構築した. また2においては,平成25年度に開発した拡張可能なスマートデバイスからの情報を効果的に3DCG表現するため,前年度に開発した試作アプリケーションを基盤として開発を進めた.開発には研究実施者らが長年蓄積してきたOpenGLおよびOpenGL ES等のグラフィックスAPIのノウハウを活用した.これにより,ビジュアルエフェクトの高度化や高品質なテクスチャ圧縮機構などの新機能の活用を前提としたスマートデバイス向けアプリケーションの開発手法を確立した.
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Strategy for Future Research Activity |
開発された天文教育用データベース,および天文教育のためのスマートデバイス向けアプリケーションについては,今後の研究を推進する中で必要に応じて改良・拡張を行う予定である. 今年度開発したこれらの研究成果を最大限活用することを念頭に,研究期間3年目となる最終年度前半においては,システムの本格運用に向けたデータベース開発およびコンテンツ開発を実施するが,データベース構築・コンテンツ開発状況が予想よりも遅れている場合には次年度の前半における実証実験前の調整期間中の予定を再考して対応する.その上で,今年度までに開発したハードウェアおよびソフトウェアの全体的な調整を実施し,実証実験での運用を確かなものとするための準備を行う.なお,実際の実証実験に向けて,平成27年度時点における一般的なタブレット端末が,初年度に購入した開発用タブレット端末よりも高機能化されていることを想定し,新たな端末を用いた動作試験を行うとともに,必要に応じて機能の修正や拡張を行う. 年度後半における実証実験は,名古屋市科学館を中心とした屋内による実証実験と,屋外によるフィールド実験を,一定の専門知識を有する学習者集団と一般の学習者に分けて複数回実施する.屋内の実証実験には名古屋市科学館プラネタリウム室や同館天文フロアなどを想定し,また屋外でのフィールドワークでは名古屋市科学館天文クラブ等の協力を得て実施する予定である.いずれも,研究協力者である名古屋市科学館学芸員らの協力を得て実施する.
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Causes of Carryover |
今年度の研究計画を遂行するにあたり,予定よりも物品費に対する支出が多かった一方で,旅費や謝金,その他の支出項目においては予定を下回る結果となった.物品費に関する支出増の背景としては当初,その他の項目として挙げていたモバイルネットワーク通信端末に係る支出を物品費として執行した経緯がある.また旅費に関しては予定していた研究調査および学会発表に係る支出が当初よりも少なく実施できたことが挙げられる.さらに謝金については運用試験の際に当初想定していた外部協力者への謝金や英文校閲のための費用として計上していたが,研究協力者である研究実施者のゼミに所属する学部生および大学院生による実験協力などを主体とした実施により支出を必要としなくなった点が挙げられる.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度となる平成27年度には,物品費として実験実施用タブレット端末を予定していたが,平成27年度前半ではこれまでに開発した端末およびデータベースシステム,アプリケーションを用いた本格的な運用試験の実施を見越した最終調整をする必要がある.一方でその調整の際に一部の端末や機材・開発コンテンツの調整を行うための開発に必要な物品を,タブレット端末の追加購入とは別に支出する必要があるため,このための費用として支出を予定している.これらは開発用PCのための部品やコンテンツ作成のための機材等である.
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[Presentation] 「お絵描きダンスステージ」の提案2015
Author(s)
水野慎士, 内藤将司, 岡部紗千子, 磯田麻梨乃, 伊藤玲, 岡本芽唯, 近藤桃子, 杉浦沙弥, 中谷有希, 廣瀬元美
Organizer
情報処理学会インタラクション2015
Place of Presentation
日本科学未来館
Year and Date
2015-03-05 – 2015-03-07
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[Presentation] Development of Interactive Digital Contents for Local Revitalization2015
Author(s)
S. Mizuno, M. Naito, S. Okabe, M. Isoda, R. Ito, M. Okamoto, S. Sugiura, M. Kondo, Y. Nakatani, M.Hirose
Organizer
IWAIT/IFMIA 2015
Place of Presentation
Tainan, Taiwan
Year and Date
2015-01-11 – 2015-01-13
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[Presentation] スマートデバイスを用いた天文教育の活性化2014
Author(s)
赤尾恵里, 中貴俊, 遠藤守, 山田雅之, 宮崎慎也, 岩崎公弥子, 毛利勝廣, 安田孝美
Organizer
電気・電子・情報関係学会, 平成26年度東海支部連合大会
Place of Presentation
中京大学
Year and Date
2014-09-08 – 2014-09-08
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[Presentation] 地域力支援サイトの改善サイクルについて2014
Author(s)
高木和磨, 山崎利樹, 稲垣行彦, 福安真奈, 中貴俊, 山田雅之, 宮崎慎也, 遠藤守
Organizer
電気・電子・情報関係学会, 平成26年度東海支部連合大会
Place of Presentation
中京大学
Year and Date
2014-09-08 – 2014-09-08
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[Presentation] Creating Astronomy Dynamic e-Learning Content2014
Author(s)
George Moroni, Katsuhiro Mouri, Mayu Urata, Mmamoru Endo, Takami Yasuda
Organizer
International Conference on e-Commerce, e-Administration, e-Society, e-Education, and e-Technology 2014
Place of Presentation
Nagoya University
Year and Date
2014-04-02 – 2014-04-04
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