2014 Fiscal Year Annual Research Report
ケミカルバイオロジーを利用したヒトヌクレオチド除去修復機構の解析
Project/Area Number |
25281017
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松永 司 金沢大学, 薬学系, 教授 (60192340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪部 学 金沢大学, 薬学系, 准教授 (10312414)
若杉 光生 金沢大学, 薬学系, 助教 (80345595)
国嶋 崇隆 金沢大学, 薬学系, 教授 (10214975)
後藤 享子 金沢大学, 薬学系, 准教授 (50180245)
小田 彰史 金沢大学, 薬学系, 准教授 (50433511)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ケミカルバイオロジー / 化合物ライブラリー / スクリーニング / ヌクレオチド除去修復 / 阻害剤 / 低分子化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
A. 新規NER阻害物質の探索と同定 1)大規模ケミカルライブラリーを用いた新規NER阻害物質の探索:東大創薬オープンイノベーションセンターのコアライブラリー9,600化合物のスクリーニングをすべて完了し、前年度分も合わせて13種類のヒット化合物を得た。二次スクリーニングで12種に絞り込み、まとまった量をすぐに入手できるものは別のアッセイ系でも活性を評価した。また、一部の陽性化合物は類縁化合物を入手あるいは合成し、構造活性相関解析を開始した。 B. NER阻害物質NERiKU001の解析 1)標的因子の同定とNER阻害機序の解析:初年度に得た候補因子について、siRNA によるノックダウンを利用して解析を進めたが、真の標的因子であることを示すポジティブな結果が得られず、擬陽性と判断した。そこで、再度、複数の方法で化合物ビーズを作製し、結合タンパクのMS解析を行い、いくつかの候補因子を得た。現在、同様にsiRNAを用いて確認作業を行っている。一方、昨年度作製したERCC1-EGFP安定発現細胞株を用いて、NERiKU001処理後にERCC1がポリユビキチン化されることを検出し、E3リガーゼおよびユビキチン化部位の特定に利用できる直接的指標を得た。 2)化合物の最適化:新たに4種類の類縁化合物を合成し、キーとなる部分の構造活性相関を明確にした。一方、NERiKU001の標的因子がまだ同定できなかったため、残念ながらインシリコのアプローチによる最適化には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
NERiKU001の標的因子の同定に手間取っており、この部分は予定より遅れている。新しい化合物ビーズで得られた結合タンパクの解析が現在進行中であり、真の標的因子の同定を期待している。また、ERCC1-XPFの分解に関わるE3リガーゼの同定については、ERCC1のポリユビキチン化が検出できたことから、より直接的な指標を得たことになり、これも利用して現在解析を進めている。一方、新規のライブラリースクリーニングについては9600化合物すべてのスクリーニングが完了し、計12種のヒット化合物が得られたことは満足している。しかし、中には活性の弱いものや不安定なものも含まれており、現在行っている絞り込み作業の結果をもとに、活性の強さ、化学構造、安定性など様々な視点から優先順位を付けて解析を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に大きな変更はなく、NERiKU001に関しては、遅れている上述の2点に全力をあげ、人員をさらに投入して挽回したい。また、新規スクリーニングから得た12種のヒット化合物については、NERiKU001の解析で得た経験を活かして、各化合物の作用機序と構造活性相関を早急に明らかにする。現有人員ではすべてを同時進行させることは困難であり、絞り込みによる優先順位の高いものから解析を進め、期間内に一つでも多くのNER阻害化合物を特定して新規のNER関連反応を明らかにしたい。最終年度となるため、総力を挙げて当初目標を達成できるよう研究を進展させる。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Nucleotide excision repair-dependent DNA double-strand break formation and ATM signaling activation in mammalian quiescent cells2014
Author(s)
Wakasugi, M., Sasaki, T., Matsumoto, M., Nagaoka, M., Inoue, K., Inobe, M., Horibata, K., Tanaka, K., and Matsunaga, T.
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Journal Title
J. Biol. Chem.
Volume: 289
Pages: 28730-28737
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Concanavalin A-mediated T cell proliferation is regulated by Herpes Virus Entry Mediator costimulatory molecule2014
Author(s)
Ando, Y., Yasuoka, C., Mishima, T., Ikematsu, T., Uede, T., Matsunaga, T. and Inobe, M.
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Journal Title
In Vitro Cell. Dev. Biol. - Animal
Volume: 50
Pages: 313-320
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] NER-dependent DSB formation activates ATM signaling pathway in mammalian quiescent cells2015
Author(s)
Wakasugi, M., Sasaki, T., Nagaoka, M., Matsumoto, M., Inoue, K., Horibata, K., Tanaka, K. and Matsunaga, T.
Organizer
Keystone Symposia “Genomic instability and DNA repair joint with DNA replication and recombination”
Place of Presentation
Whistler (Canada)
Year and Date
2015-03-01 – 2015-03-06
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