2013 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム編集技術を用い、ゲノム不安定性に与えるクロマチン構造の役割を解明する
Project/Area Number |
25281019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 智子 (石川 智子) 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70402922)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メダカ / 損傷メモリー / 遺伝的不安定性 / マイクロサテライト不安定性 / 環境ストレス / エピジェネティック変化 / クロマチン構造変化 / ゲノム編集技術 |
Research Abstract |
放射線や化学変異原により誘発される遺伝的不安定性は興味深い現象であり、発ガン等長い潜伏期を経て発症する生体影響には極めて重要な要因である。何らかの「損傷メモリー」が遺伝的不安定性誘発の要因と考えられているが、その実体は明らかでない。本申請では、1)ゲノム編集技術を用いゲノムの特定領域に損傷を導入し、2)導入損傷により誘発される不安定性の検出をゲノム上に散在する標的配列で行う系を確立する。更に3)損傷導入領域・変異検出領域において、「損傷メモリー」の有力な候補である「ゲノムDNAやクロマチンの修飾」を解析し、「損傷メモリー」の実体を明らかにする。これに加えp53, ATM, ATR, DNA-PKcs等の損傷応答遺伝子変異体による解析を行い、「損傷メモリー」形成・維持に関わる経路の同定を行う。 そのために、まず損傷導入によりマイクロサテライト不安定性の誘導を検出できるかどうか検討した。損傷の導入はγ線により行った。成熟オス個体に2Gy、4Gyのγ線を照射し、照射後、導入変異を固定するため2週間置いたのち、未処理のメスと交配して得られたF1個体ゲノムDNAについて、9番染色体上のマイクロサテライト領域、15か所について解析を行った。野生型(HdrR)では線量依存的にマイクロサテライト不安定性が増加することが確認された。また、p53変異体(186番目のチロシンが終止コドンに置換している)でも行った。その結果、非照射個体では野生型と同等の変異頻度を示したが、ガンマ線照射により野生型よりも高頻度にマイクロサテライト不安定性が誘導されていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) メダカにおけるマイクロサテライト不安定性の検出系の確立については、野生型、p53変異体でγ線によるマイクロサテライト不安定性の誘発頻度を確認しており順調に進んでいる。 2) 特定ゲノム配列に損傷を導入する系については、他実験で必要な変異体の作成をTALEN、CRISPR両系で成功させており、効率よく損傷を導入する系の立ち上げは順調に進んでいる。 3) 損傷導入部位でのエピジェネティック変化の検出/クロマチン構造変化の検出する系の確立についてはやや遅れている。 以上のことを総合して、おおむね順調に進展にしていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、特定ゲノム配列に損傷を導入する系については、作成した人工ヌクレアーゼを導入した個体の作成をおこなう。この時、組み換え修復等を塩基配列で確認できるよう近交系間のゲノム配列を検索し、二重鎖切断導入カ所を決定する。損傷導入部位でのエピジェネティック変化の検出/クロマチン構造変化の検出するために、DNAの修飾としてはメチル化を、またヒストン修飾についてはヒストンH3の9番目のリジンのメチル化(H3K9me)を解析する。またこれに加え、局所的にヘテロクロマチン化しているかどうかの確認をHP1抗体によるChIP Asseyにより行う。そのための手法の条件検定を行う。特にHP1に関しては、市販の抗体がメダカHP1にCross Reactするかどうかのチェックを行い、場合によってはメダカHP1抗体を作製する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
損傷導入部位でのエピジェネティック変化の検出/クロマチン構造変化の検出する系の確立が予定より遅れたため、それに必要な試薬、物品等の購入を前年度は見送ったため。 損傷導入部位でのエピジェネティック変化の検出/クロマチン構造変化の検出する系確立の予定が立ち次第、今年度の予算も合わせ、必要な物品、試薬等の購入を行う。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] The Cryptochrome/Photolyase Family in aquatic organisms.2014
Author(s)
Oliveri P, Fortunato AE, Petrone L, Ishikawa-Fujiwara T, Kobayashi Y, Todo T, Antonova O, Arboleda E, Zantke J, Tessmar-Raible K, Falciatore A.
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Journal Title
Mar Genomics
Volume: 14
Pages: 14-23
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Human papillomavirus and p53 mutations in head and neck squamous cell carcinoma among Japanese population.2014
Author(s)
Maruyama H, Yasui T, Ishikawa-Fujiwara T, Morii E, Yamamoto Y, Yoshii T, Takenaka Y, Nakahara S, Todo T, Hongyo T, Inohara H.
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Journal Title
Cancer Science
Volume: 無
Pages: 無
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] p53-Dependent suppression of genome instability in germ cells2014
Author(s)
Otozai S, Ishikawa-Fujiwara T, Oda S, Kamei Y, Ryo H, Sato A, Nomura T, Mitani H, Tsujimura T, Inohara H, Todo T.
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Journal Title
Mutation Research
Volume: 760
Pages: 24-32
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] ATF6α/β-mediated adjustment of ER chaperone levels is essential for development of the notochord in medaka fish.2013
Author(s)
Ishikawa T, Okada T, Ishikawa-Fujiwara T, Todo T, Kamei Y, Shigenobu S, Tanaka M, Saito TL, Yoshimura J, Morishita S, Toyoda A, Sakaki Y, Taniguchi Y, Takeda S, Mori K.
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Journal Title
Molecular Biology of the Cell
Volume: 24
Pages: 1387-1395
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Targeted Inactivation of Rev1 gene2013
Author(s)
Tomoko Ishikawa-Fujiwara, Kumi Nakamura, Yoshihiro Fujikawa, Takeshi Todo
Organizer
The 6th Asia and Oceania Conference on Photobiology
Place of Presentation
Sydney, Australia
Year and Date
20131110-20131113
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[Presentation] ATF6α/β-mediated adjustment of ER chaperone levels is essential for development of the notochord in medaka fish2013
Author(s)
Tokiro Ishikawa, Tetsuya Okada, Tomoko Ishikawa-Fujiwara, Takeshi Todo, Yasuhiro Kamei, Shuji Shigenobu, Minoru Tanaka, Taro L. Saito, Jun Yoshimura, Shinichi Morishita, Atsushi Toyoda, Yoshiyuki Sakaki, Yoshihito Taniguchi, Shunichi Takeda, Kazutoshi Mori
Organizer
18th Japanese Medaka and Zebrafish Meeting
Place of Presentation
仙台市
Year and Date
20130920-20130921