2016 Fiscal Year Annual Research Report
DNA付加体1分子が関わる遺伝子変異誘発機構の緻密性に関する研究
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25281022
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
安井 学 国立医薬品食品衛生研究所, 変異遺伝部, 主任研究官 (50435707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々 彰 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (10738347)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | DNA付加体 / DNA損傷 / 遺伝子変異 / 遺伝子破壊 / 1分子 / トキシコロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,突然変異誘発頻度の低いDNA付加体を使用せず,TATAMのイントロン系で比較的高い突然変異誘発頻度を示すキサンチン付加体(20.5%),および5-ブロモウラシル付加体(33.2%)を選択し,TK遺伝子のエキソン5の特定部位に導入することによってTATAMのエキソン系に適用した。その結果,双方の付加体ともに突然変異誘発頻度が抑制される傾向が見られたが,イントロン系の結果と明確な違いはなかった。本系のデメリットは,イントロン系は各クローン細胞のゲノム内に導入された付加体部位をシーケンスするが,エキソン系は付加体部位で塩基置換が起きるとTK遺伝子が復帰することで,薬剤耐性コロニーとして検出されるため,エンドポイントが異なることが挙げられる。 DNA修復遺伝子の欠損細胞の構築に関しては,XPC遺伝子の開始コドン配列を欠失させたXPC欠損細胞を分離し,紫外線照射に対して高感受性であることを確認した。これまで作製したミュータント細胞を使ったTATAMを実施し,上記のような差が得られなかった実験で有意差が得られるかどうかを今後実験する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エキソン系において,陽性対照および陰性対照ターゲティングベクターを形質転換したときの基礎的データの取得に非常に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに数種のDNA修復欠損細胞を構築した。それらの欠損細胞を用いてTATAMを行い,遺伝子変異誘発頻度をエンドポイントとして,野生株では有意差が得られなかったキサンチン付加体や5-ブロモウラシル付加体を解析する。
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Causes of Carryover |
遺伝子破壊細胞を構築するために低コストなCRISPR/Cas9系を利用することになったこと,また,消耗品を割引キャンペーン期間に購入したしたこと等から,実験コストを下げることができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
細胞生物学,および分子生物学的な実験の消耗品として使用する。
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