2015 Fiscal Year Annual Research Report
DPSIRモデルによる宍道湖における突発的な水草の分布拡大の評価と対策
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25281054
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
国井 秀伸 島根大学, 汽水域研究センター, 教授 (70161651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸 浩二 島根大学, 汽水域研究センター, 准教授 (60252897)
宗村 広昭 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (90403443)
作野 裕司 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20332801)
廣田 充 筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (90391151)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生態系修復・整備 / 環境技術 / 環境変動 / モニタリング / 保全生態学 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)Landsat-8データを使い,宍道湖の水草,クロロフィルa濃度,塩分の分布を自動的に推定できるシステムを構築した.これまでラジコンヘリによる比較的狭い領域の水草分布の解析しかできなかったが,衛星データを用いることで湖全体の環境を時空間的に把握できるようになった. (2)宍道湖に流入する11の観測河川を宍道湖の北部と南部に分けると,北側の方がTN,TP,SSとも有意に高かった.北側と南側での水質変動の要因を推定するため,降水量,土地利用割合,土壌種類,集落排水流入量で相関係数を調べたところ,南北ともTNとSSにおいては特徴的な傾向は見られなかったが,TPにおいては,北側は流域面積,流域平均河川長,集落排水量,黒ボク土壌に1%水準で統計的に有意な正の相関が認められた. (3)2014年度の結果から,宍道湖には,底層を流れ下る塩分密度流の流入過程と底質への影響が明らかとなった.2015年度ではその結果を踏まえて,定点(T3地点)で26時間連続プロファイル観測を行い,より詳細な流入過程を観測し,塩分密度流のフロントは明らかに宍道湖の表層水塊を少なくとも水深にして1.5mは押し上げ,この密度流の発生は底層の水塊及びその懸濁物を中層に移動させる効果もあるものと思われた. (4)水草オオササエビモと糸状藻類のシオグサの分解特性を把握するため,水温,塩分,並びに光の有無を操作した分解実験を行った.その結果,それぞれ暗条件下では高温ほど分解速度が上昇したが,分解速度が高くなる塩分濃度はオオササエビモでは5psu, シオグサでは0psuと植物によって異なることが明らかになった. (5)透明度は地点間で大きく異なり,水草の生えている沿岸帯と水草群落外の沖帯では表層クロロフィルa量は有意に異なっていた.また,今年度の調査でツツイトモは水深4.1mまで生育していることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的を達成するためには,研究代表者と分担者による課題の解明に加え,連携研究者と協力研究員による動植物プランクトンの種組成の解明が必須である.しかし,研究期間中に毎月複数地点で採取した動植物プランクトンの標本数が大量にのぼり,その処理が最終年度までに完了しなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間中に毎月複数地点で採取した動植物プランクトンの標本数が大量にのぼり,その処理が最終年度までに完了しなかったため,1年間の補助事業期間延長承認により,平成28年度中に処理を終えることとしている.
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Causes of Carryover |
研究期間中に毎月複数地点で採取した動植物プランクトンの標本数が大量にのぼり,その処理が最終年度までに完了しなかったため,1年間の補助事業期間延長承認により,平成28年度中に処理を終えることとしたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
動植物プランクトンの分類を担当する連携研究者及び協力研究員が試料処理を円滑に進めらるように,試料処理のための薬品等の消耗品を早急に購入する.
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Research Products
(21 results)