2016 Fiscal Year Annual Research Report
A fundamental study to construct a conservation system of island ecosystem using new tracking method
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25281056
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
河野 裕美 東海大学, 沖縄地域研究センター, 教授 (30439682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 憲 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (10378606)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 島嶼生態系保全 / 海鳥 / 個体群動態 / 越冬海域 / 採餌海域 / 営巣環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
仲ノ神島は、熱帯性と温帯性の海鳥類が各々分布の北方や南限の繁殖地として利用する。熱帯種カツオドリでは、人為的な大規模攪乱を受けた後の個体群の回復過程と、位置推定が可能なGlobal Location Sensor(GLS)による成鳥の渡り経路と越冬海域について、2016年も記録を蓄積し解析を継続した。さらに、再捕獲による個体への影響を軽減し、かつ記録回収率の向上が可能となった遠隔ダウンロード式GPSを採用し、繁殖成鳥の採餌海域の解析を行った。その結果、採餌トリップは日中の4時間程度であり、採餌範囲は最大100km、主に40km以内で、特に水深200m以浅の島棚やバンク周囲のほか、水深数千mの急斜面上が主要な採餌場であった。既存の研究により、本個体群の主要餌生物はトビウオ類であり、その他にアカイカ類や多様な小魚類も利用することが分かっている。仲ノ神島周辺海域が黒潮流域にあり、かつ複雑な海底地形にあることと、これらの餌生物の分布は関連し、沿岸採食者である本種にとって繁殖地の成立に寄与すると考えられた。この様に、成鳥の個体群動態や利用海域といった繁殖地保全に資する基礎課題を解明した一方で、死亡率の高い若鳥期における利用海域については、GLS装着個体の初帰還を待ったものの、その目視確認はできたが再捕獲には至らなかった。帰還率が高まる次年以降も継続して行きたい。 温帯種オオミズナギドリでは、2015年の台風により巣穴の大規模崩壊が生じたが、2016年の巣穴密度は全く回復しなかった。本種は、巣の掘削を雄が担い、主に古巣を利用することでその労力を軽減する。仲ノ神島では2月に渡来し始め、6月に産卵するが、新規掘削にはより長い時間を要し、この年の繁殖参加率を下げたと考えられた。従って、同島の草地に覆われたのみの営巣基盤の脆弱さは、本個体群の雛生産に影響する地域的要因として明らかになった。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Effect of wind on the flight of Brown Booby fledglings.2017
Author(s)
Yamamoto, T., Kohno, H., Mizutani, A., Sato, H., Yamagishi, H., Fujii, Y., Murakoshi, M. and Yoada, K.
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Journal Title
Ornithological Science
Volume: Vol.16
Pages: 17-22
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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