2013 Fiscal Year Annual Research Report
メタノールエコノミーでの活用を目指すC1微生物代謝生理の分子基盤解明と新技術開発
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25281063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
由里本 博也 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (00283648)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メタノール資化性酵母 / 転写因子 / C1化合物代謝 |
Research Abstract |
1.メタノール酵母の有用形質を制御する遺伝子機能の解明 強力なメタノール誘導性プロモーターの転写活性化に関与する転写因子と情報伝達関連因子の機能解析を行った。Hap複合体構成因子(Hap2/3/5)については、各遺伝子破壊株におけるメタノール誘導性遺伝子の発現レベル、各構成因子の細胞内局在、プロモーターへの結合能、構成因子間での相互作用を調べ、メタノール誘導性遺伝子発現における機能を明らかにした。これらの結果については現在論文投稿中である。 一方、植物表層でのメタノール資化性酵母の生育に重要な遺伝子の同定については、複数の候補遺伝子の遺伝子破壊株と蛍光タンパク質レポーター発現株を作成し、in vitroでの生理機能および当該遺伝子産物の細胞内局在を調べた。今後、葉上での増殖能解析を行う。 また、植物表層でのメタノール酵母異種遺伝子発現に関して、糸状菌由来ペクチンメチルエステラーゼの発現株を作成した。当該発現株はペクチンを炭素源とする培養では顕著な増殖能増強を確認できたが、シロイヌナズナ葉上では正の効果は認められなかった。 2.C1化合物代謝反応を高度利用した新規メタノール変換反応の構築 メタノール資化性細菌やメタノール資化性酵母がもつC1化合物代謝酵素について、大腸菌での発現株を構築し、活性評価を行った。今後は、培養条件や反応条件の最適化を進めていく。また、水生植物表層に見出していた高いメタン酸化活性を示すメタン資化性微生物コンソーシアムについて、メタン資化性細菌の分布特性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
転写因子の生化学的な機能解析、各種遺伝子破壊株や遺伝子発現株の構築とこれらを利用した研究は、概ね予定通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
転写因子間の相互作用解析を進めるとともに、遺伝子発現系への活用を検討する。植物葉上での各遺伝子機能については、今後葉上での増殖能評価を中心に解析を進める。葉上でのメタノール酵母によるタンパク質生産については、生理活性ペプチドなどの発現に着手する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入予定の消耗品および設備備品の変更および学会などへの参加計画変更のため、未執行額が生じた。 当初計画分の他、研究効率化のための設備備品の更新や研究参画者の国内および国際学会参加のための旅費に使用する。
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Research Products
(12 results)