2014 Fiscal Year Annual Research Report
人間共存型ロボットに最適な演技演出デザ イン基本法則の抽出
Project/Area Number |
25282007
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Research Institution | Osaka University of Arts |
Principal Investigator |
中川 志信 大阪芸術大学, 芸術学部, 教授 (00368557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大須賀 公一 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50191937)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ロボティクスデザイン / ロボット / プロダクトデザイン / 文楽 / 感情 / モーションデザイン / サウンドデザイン / 脳波測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
伝統芸能「文楽」の芸のメカニズムを解析し最先端のロボットに変換する研究内容は、ロボット実機製作を通して達成できた。具体的には文楽人形遣いとの共同研究を通して、感情表現を顔でなく身体の動きで表現できる「世界初の骨格伸縮ロボット」の実機を完成し特許も申請した。さらに、動きを演出する効果音や音声のサウンドデザインに加え、人を接遇する際の日本独自のおもてなし所作デザインも盛込み、研究目的である人間共存型ロボットにおける演技演出デザイン研究は実施できた。 これら一連の研究成果を発表したところ、多くのメディアが参加した。NHK大阪と関西テレビと地方テレビ局(奈良と和歌山)のニュースや、朝日、読売、日経、産経など主要な新聞5社と地方紙、インターネットニュースなど多方面で大きく取り上げられた。本研究へのメディアや社会の反響の大きさに驚いている。 今後は当初の研究実施計画を少し変更する。動きの精度を一層高めた骨格伸縮ロボットの実機による演技や接遇を、多くの被験者(大学生)に行い、その評価や体感内容を主観的に評価してもらう。さらに、被験者の脳波測定も行い、客観評価を数値データとしても確保する。これら一連の実験結果を、日本ロボット学会学術講演などで発表する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最大の課題である感情表現を顔でなく身体の動きで表現できる「世界初の骨格伸縮ロボット」の実機を完成が達成できたことが、最大の成果である。いくつもの方策を検討試行した結果、なんとか機能を再現できる実機ロボットを創出できた。動きなどは未だ完璧ではないが、骨格が伸縮して感情表現するロボットに、人々やメディアも高く評価した。さらに演出のサウンドデザインや、演技の接遇おもてなし動作デザインなども盛込み、高い評価を得ている。この試作実機に対して、社会からはオリンピックを目指し完成度を高め、日本らしいロボットの創造を期待されている。
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Strategy for Future Research Activity |
「世界初の骨格伸縮ロボット」の実機は、当初想像していた以上に困難であった。完成した実機も試作1号機レベルで精度が高くないため、当初計画していた一流俳優と骨格伸縮ロボットの関係するモーションデータをとれない。そのため、演技演出研究の方策を変更する。 再度、文楽人形遣いに実機ロボットへの演技ティーチングを実施し、ロボットが人と接遇する際の演技(モーション)をデザインした。さらに接遇関係の見識者を招き、ロボットへ日本のおもてなし作法を同時にデザインした。今後は、これらの動作ができる実機ロボットを被験者と接する実験を繰返す。また、演出のサウンドデザインは動作への効果音の有る無しや2種類の音声(有機的と無機的)を用意し、こちらも同様に比較実験を繰返す。脳波測定実験を専門とする三重大学田口研究室に依頼する。
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Causes of Carryover |
ロボット実機開発が遅延し、試作のレベルも低く今後改良が見込まれる。また世界初の技術であるため、特許の海外展開申請も必要とされている。これらの費用として保留した経緯がある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実機ロボットの改良、特許海外向け申請、学会などでのロボット実機発表のための般出入費用などの経費としてあてる予定である。
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