2014 Fiscal Year Annual Research Report
世代間交流が高齢者の健康へ及ぼす影響および機序の解明
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25282012
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
野中 久美子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70511260)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 世代間交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢者からしばしば聞かれる「子どもや若い人から元気をもらえる」との慣用句をリサーチクエスチョンに設定としてその解明を目的としており、2014年度は以下の研究を行った。 (1) 2013年11月に東京都板橋区在住65歳以上高齢者2475人を対象に実施した質問紙調査について、世代間交流のふれ合い感情のネガティブな側面である”話しづらさ”と心理社会的変数との関連を明らかにする目的で順序回帰分析による再分析を行った。その結果、高齢者が子どもに対して感じる”話しづらさ”には、身体的健康とともにボランティア活動参加や社会的活動能力が関連していることが明らかにされた。 (2) 2014年7月に群馬県草津町在住の65歳以上の高齢者550人余りを対象に質問紙調査を実施した。本調査では、既存の「世代間のふれ合いにともなう感情尺度」の各項目の妥当性について再検証をすることを目的に、本調査対象者の中から数人を対象にして、本尺度項目に関する聞き取り調査を実施した。また、回収後のデータについて項目分析および因子分析を行った。これらの結果をもとに、数名の研究者で議論をして最終的に「改訂版 世代間のふれ合いにともなう感情尺度」を開発した。 (3) 世代間交流と健康アウトカムとの関連を明らかにすることを目的として、新たに開発した「改訂版 世代間のふれ合いにともなう感情尺度」を用いて、2014年8月に東京都大山地区の対象者1,500人余りを対象に質問紙調査を実施した。本調査に関しては、9月にデータを回収し、現在はデータ分析作業を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定通り、世代間交流と健康アウトカムに関する第二回調査を実施した。ただし、分析作業が少し遅れている。こうしたことから、本研究は(3)やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
東京都板橋区大山地区および群馬県草津町在住の第1回・第2回調査と同一の対象者1,500名余りを対象に1年後追跡調査を実施し、3年間の調査結果をもとに世代間交流と健康アウトカムとの因果関係について検証する。また、東京都大田区在住の第1回調査(H25年度)と同一の対象者1000名余りを対象にアンケート調査を実施し、世代間交流の変化に及ぼす要因について明らかにする。
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Causes of Carryover |
H25年度に産前産後の休暇取得により繰越金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度は計画通り執行する予定である。
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Research Products
(4 results)