2014 Fiscal Year Annual Research Report
女子の理系進路選択における親の意識の影響に関する調査・分析
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25282040
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
林 裕子 山口大学, 技術経営研究科, 准教授 (90637456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 銀子 山形大学, 教育文化学部, 教授 (10282196)
國井 秀子(清水秀子) 芝浦工業大学, 工学マネジメント研究科, 教授 (40648549)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 科学研究 / イノベーション / ダイバーシティ / 理系教育 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、イノベーションの推進に多様な人材が科学技術分野で求められるが、大学の理系学部に進む女性が少ない日本の実態を調査し、解決策を探る。そこで、初年度に女性の進路選択に影響を与える母親を分析対象とし質問紙調査を実施した。分析対象はお茶の水女子大学の卒業生とし、調査結果を得た。 二年目の平成26年度は回収した調査票に基づき分析・解析を進めた。4月に単純集計が出た段階で、研究会を開催してメンバーでその結果を共有した。7月にかけて必要な項目に関してクロス集計等を追加した。また、単純集計やクロス集計の結果をもとに、項目間のより詳細な関係性を明らかにするため、必要に応じて多変量解析を行った。具体的な内容を知るために追加の聞き取り調査の実施に向けて8月9月で質問項目を設定した。9月に対象者に関して追加調査依頼書をメールと手紙で送付し、回答のあった対象者に関して、日にちの設定を行った。対象者は質問紙調査において、聞き取り調査に協力可能と回答のあった約120名の卒業生より日程が合い、面接会場に来ることができる8名に対して面接による聞き取り調査を10月から11月にかけて行った。録音機材を要し、その内容の音声起こしは外注とした。広報活動・成果の公表の準備として理系女子に関する関連研究を学会で発表した。また査読付き論文を1編作成した。理系女子の現状に関して講演を行った。また、関連シンポジウム等で理系女子の必要性について議論の機会を得た。また、単純集計、クロス集計に関して報告書を作成した。調査状況の報告等を報告するため、ウェブサイトを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二年目は、概ね計画通りに遂行出来た。調査対象のお茶の水大学との合同会議を複数回行い、その他の連絡はメール、電話等で行った。調査結果の分析・解析は単純集計、クロス集計、多変量解析などを基に行った。8月、9月にかけて聞き取り調査の準備を開始した。分析結果から出てくる疑問について、進路選択や将来像について具体例が聞けるような質問項目を設定した。 次に初年度に行った質問紙調査において、聞き取り調査に協力可能と回答のあった120名の卒業生を対象として、追加聞き取り調査依頼書を9月にメールと手紙で発送した。その後、回答のあった卒業生の中から、日程が合い、面接会場に来ることができる8名に対して面接による聞き取り調査を10月から11月にかけて行った。面接は数十名を期待していたが、会場が東京であったこと、個人情報、質問項目に対する精通度、質問者の個人差などを考慮し、研究代表者と分担者に限ったので時間に制約があったこと、などから、8名にしかできなかった。内1名については、当初予定していた日程がどうしても都合がつかなくなり、電話による聞き取り調査となった。その結果の音声起こしを外注で12月から1月にかけて行った。 本調査をベースとするホームページの作成は継続的に行い、女性の理系進路選択をめぐる現状や課題の周知に務めた。また、研究の中間報告として、2015年3月に報告書を作成した。 その他、学会発表や論文投稿、講演を通じて国内外に向けて発信した。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は調査結果全体のまとめと最終成果の公表・広報活動を実施する。 質問紙調査の結果や聞き取り調査の結果を統合し、女性の理系進路選択促進に必要な母親の経験や考え方、およびそれを生み出す環境に関する知見をまとめる。先行研究との相違点を明確にするとともに、理学系・工学系に進む女性が増えるための実現可能な方策の提案を試みる。27年3月に前倒しで単純集計、クロス集計を調査研究報告書としてまとめ、関係者に配布した。4月には8月に韓国で開催されるthe Gender Summit 6-Asia Pacific 2015への査読論文を提出した。その他12月に中国で開催されるICIM(international conference on Innovation and Management)への査読論文や口頭発表、その他の学会での口頭発表やホームページでの掲載を通して、最終成果を国内外に積極的に公表・発信する。無関心層へのアプローチとしては、調査研究報告書を理学・工学関係の研究者らに送付して現状を知ってもらうほか、小冊子など一般向けの印刷物も作成し、これから子育てをする世代の学生や子育て中の母親が集まる育児サークルなど、また学校教育において理科を担当している教員や各都道府県の男女共同参画センターなどに配布する。報告書は100部程度、小冊子は1000部程度作成し、手渡しや郵送によって配布する。政策への働きかけとしては、研究結果が政策に反映される様に、メンバーらのこれまでの所属委員会等を通じ、内閣府、文部科学省、厚生労働省などに働きかけをする。
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Research Products
(21 results)