2013 Fiscal Year Annual Research Report
インタラクションサイクルの認知科学的分析に基づくスキル学習支援環境
Project/Area Number |
25282055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
曽我 真人 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (60252839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧 寛和 和歌山大学, システム工学部, 教授 (10304180)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教育工学 / スキル / 学習支援 |
Research Abstract |
1.模倣による動作学習のモデル化と,熟練者と学習者の視点を統合する学習支援環境の構築: 行動の学習支援の典型的な例としてスポーツやダンスを例題とした.スポーツやダンスなど,初心者が動作を学ぶ場合には,熟練者の動作を見ながら学ぶことが多い.このため,まず,模倣による動作学習の認知モデルを構築した.そして,その認知モデルに基づいて,初心者が熟練者の動作を容易に学べるように熟練者の動作を学習者のHMD上に提示する学習支援環境を設計・構築した. 2. 透視図法スケッチ学習支援環境の構築: 認識の学習支援の例として透視図法スケッチを例題とした.スケッチとは,3次元の物体を視点を決めて観察し,2次元上の紙面に書き写すタスクである.ペンタブレットの上に画用紙を固定し,あらかじめ決めた三次元の物体をスケッチのモチーフとした.透視図法に基づき,画用紙に描いたスケッチ画と,システムが計算から求めた正しいスケッチ画の差分を誤りとみなして,最適なアドバイスを自動的に提示するシステムを構築した. 3.モバイルARを用いた地震時の危険地帯の認識スキル,被害の予測スキルを向上させる学習支援環境の構築: 認識と行動選択の学習支援の例として,地震時の危険地帯の認識と行動選択のスキルを例題とする学習支援環境を,タブレット端末を用いて,モバイル拡張現実感を利用して構築した. 4.楽器演奏学習支援環境の構築: 道具を用いたスキルの例題として,二胡の演奏スキルの学習支援環境を構築した. 5.運指の誤りを診断助言可能なタッチタイピングスキル学習支援環境の構築: 画像処理を利用して,タッチタイピング時の運指の誤りを自動検出し,助言を提示する学習支援環境を構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,芸術やスポーツなど,身体動作が伴うスキルについて,初心者を学習者として,模倣によるスキル動作の学習のモデル化と,そのモデルに基づくスキル動作学習支援環境の設計・構築を行うことである.スキル動作は,認識,行動選択,行動実行のインタラクションのサイクルを繰り返しながら行われる. 平成25年度には,模倣による動作学習のモデル化と,熟練者と学習者の視点を統合する学習支援環境の構築を行ったので,この認識,行動選択,行動実行をモデル化し,それに基づく学習支援環境を構築したと言える.
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Strategy for Future Research Activity |
研究は予定通り進んでいるので,申請書の研究計画に沿って,研究を推進する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者の研究室では,例年,東京の日本科学未来館で開催される情報処理学会インタラクションで院生と一緒にデモ発表を行っているため,申請時にはそれを想定して,院生2名分の出張費(約65000円×2名=約13万円)を計上していた.しかしながら,今年は,インタラクション2014での発表を行わなかったため,その分の院生の出張費が残ることとなった. 今年度は,来年3月に東京で開催されるインタラクション2015での発表を予定している.この131,706円は,そのための院生2名分の出張費として使用する予定である.
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