2015 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルメディア時代のメディア・リテラシー教育を実現するカリキュラム開発
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25282062
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
中橋 雄 武蔵大学, 社会学部, 教授 (80389064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 和行 京都教育大学, 大学院連合教職実践研究科, 教授 (30324718)
川瀬 基寛 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (40469268)
豊田 充崇 和歌山大学, 教育学部, 教授 (60346327)
今野 貴之 明星大学, 教育学部, 助教 (70632602)
久保田 賢一 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80268325)
中川 一史 放送大学, 教養学部, 教授 (80322113)
鈴木 克明 熊本大学, 社会文化科学研究科, 教授 (90206467)
佐藤 幸江 金沢星稜大学, 人間科学部, 教授 (90599614)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メディア・リテラシー / ソーシャルメディア / カリキュラム開発 / メディア教育 / 教育工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の中心的な課題は、初等教育(高学年)におけるカリキュラム開発を行うことであった。全体会議において各チームの目標を確認した後、チームごとに研究を遂行した。ネットワーク上で情報共有するとともに、対面会議での研究交流を行った。それぞれの研究成果は、国内外の学会で口頭発表および論文投稿を行い、公表した。 aチームは、「各教科」と「メディア教育に特化した教科」との棲み分けを検討した。その結果、各教科で扱うことが難しい内容に関して「メディア教育に特化した教科」の学習内容として整理することができた。 bチームは、学習理論研究に基づくメディア教育における教育方法の可能性を検討した。その結果、有効な方法としてオーセンティックな課題を設定する教育方法、疑似体験から学ぶ教育方法、多様な価値観の存在に触れる教育方法、人の役に立つことを活動目的とした教育方法、失敗から学ぶ実践的な教育方法などがあることを明らかにした。 cチームは、メディア教育におけるICT環境に求められる要件を整理した。その結果、1人1台タブレット環境におけるメディア教育を成立させるために、学校文化をどのように形成するかが重要であることを明らかにした。 dチームは、これまで各チームが蓄積してきた成果を統合して、カリキュラムとして学習プログラムと教材を開発・検証した。例えば、クラス内SNSを活用しながらSNSの特性とあり方について考える学習プログラムを開発し、その有効性を検証することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に計画していた「メディア教育に特化した教科内容の検討」「理論に基づくメディア教育における教育方法の可能性の検討」「メディア教育におけるICT環境に求められる要件の整理」「カリキュラムとしての学習プログラムと教材開発と検証」といったタスクを全て達成することができたため、おおむね順調に進展しているといえる。予算も予定通り執行し、次年度使用額についても生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は、次年度(2016年度)を最終年度として成果のまとめを行う。成果報告は、各学会での口頭発表・論文投稿に加え、学術図書として出版することによって広く公開することを目指す。具体的な学術図書の構成としては、「1章 ソーシャルメディア時代のメディア・リテラシー教育が、具体的にどのような実践として実現されうるのかについて」「2章 メディア・リテラシーを育むために構成主義的な学習理論を活かす必要があることについて」「3章 インストラクショナル・デザインの理論がメディア・リテラシー教育にどのように活かされるのかについて」「4章 メディア・リテラシー教育を行う上での学習環境として特にICT教育環境がどのような意味を持つのかについて」「5章 メディア・リテラシーを育む初等教育のカリキュラムについて」「6章 ソーシャルメディア時代において、メディア表現学習を行う意義や実践事例について」「7章 ソーシャルメディア時代に求められる能力としての情報モラル教育とメディア・リテラシーの関係について」「8章 問題設定を行うメディア・リテラシー教育用教材を開発し、実践において活用した成果について」「9章 メディア・リテラシー教育が実践できるようになるための教員養成のあり方について」「10章 メディア・リテラシー教育に関する教師教育について」といった内容を含むものとすることを計画している。
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Research Products
(38 results)