2016 Fiscal Year Annual Research Report
Flow-based facility location and scheduling problems and their applications
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25282089
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田中 健一 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (90408724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥海 重喜 中央大学, 理工学部, 准教授 (60455441)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 時間軸 / 最適配置問題 / 数理最適化 / 数理モデル / 時空間ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
都市における通勤・通学等の人の流れを所与として,人々が立ち寄って利用する施設の最適配置場所とサービスの提供時間帯を同時決定する数理モデルを構築した.会社帰りに施設に立ち寄って一定時間以上サービスを受け,決められた時刻までに帰宅可能な人数を最大化する問題を,整数計画問題として定式化した.この問題を,首都圏の鉄道網上の通勤流動データに適用して,複数施設を同時配置する際の最適解(施設を配置する駅とサービス開始時刻)を計算し,解の持つ性質を分析した.サービス拠点が一つのみの場合,新宿駅が最も集客力の高い駅であることが判明した.複数地点にサービスを展開する場合には,新宿駅,品川駅,東京駅をはじめとする都心部のターミナル駅に,開始時刻をずらしてサービスを提供することが有利であることが分かった.また,サービス受けるために必要な立ち寄り時間を僅かだけ小さくすることで,立寄り可能な人数が大幅に増大することを確認した. さらに,2020年に開催が予定されている東京オリンピック・パラリンピックの観戦客輸送に関して,首都圏鉄道網を時空間ネットワークでモデル化して分析を行った.分析対象を,内陸部のメインスタジアムと臨海部の競技会場に分け,首都圏鉄道網を使用して観戦客が移動する際の人の流れを予測する数理モデルを構築した.メインスタジアムのモデルでは,新宿駅周辺の複数の駅からスタジアムまでの観戦客流動を再現し,セキュリティゲートの数などが,混雑や待ち時間等に与える影響を分析した.臨海部の会場への観戦客輸送については,首都圏の主要な鉄道駅から直通バスを会場周辺へ運行させた場合の人の流れの変化を分析した.その結果,直通バスの導入により,臨海部への玄関口であるゆりかもめ新橋駅から発車する電車の乗客数が減少し,特にピーク時混雑を緩和する効果があることが示された.
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