2015 Fiscal Year Annual Research Report
分子運動性による吸着タンパク質の変性抑制・配向制御に基づいた細胞生育環境の構築
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25282142
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
由井 伸彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70182665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 篤志 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (80631150)
有坂 慶紀 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (70590115)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ポリロタキサン / ブロック共重合体 / 運動性 / タンパク質吸着 / 和周波発生分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに環状分子であるα-シクロデキストリン(α-CD)の空洞部に線状高分子鎖であるポリエチレングリコールが貫通した自己包接錯体であるポリロタキサン(PRX)を基盤とした表面を作製し、PRXのホスト分子であるα-CDの包接率およびメチル化率によってPRX表面の水和分子運動性が制御できることを報告した。 今年度は、PRX表面と数種類のランダム共重合体被覆表面上におけるフィブリノーゲンの吸着コンフォメ-ションについて和周波発生(SFG)分光法により評価した。メチル化α-CDを有したPRX(OMe-PRX-PMB)表面は、その他のPRX表面やランダム共重合体表面と比較して、水中環境下でメチル化α-CDのメトキシ基とアンカー部位のn-ブチルメタクリレートのメチル基間の疎水性相互作用によってOMe-PRX-PMBの表面構造を再構築することが明らかになった。このOMe-PRX-PMB被覆表面上におけるフィブリノーゲンのオリエンテーションは、他の表面上のフィブリノーゲンとは全く異なることが明らかになり、動的なPRX表面によって吸着したフィブリノーゲンのコンフォメーションを制御し得ることが示された。 さらに、PRX表面の水和分子運動性がマウス由来人工多能性幹細胞(iPS細胞)の心筋分化に与える影響についても評価を行った。水和分子運動性の低いPRX表面上で培養したiPS細胞はRac1およびN-カドヘリン遺伝子の発現が減少したが、水和分子運動性の高いPRX表面においてそれらは有意に上昇し、培養日数の経過に伴なって拍動するコロニー数が増加した。すなわちPRX表面の水和分子運動性を調節することによって幹細胞の細胞骨格系シグナルを制御し得ることが示された。 これらの結果より、PRX表面はタンパク質の吸着および細胞骨格・分化を調節する新たなバイオマテリアルとして期待できる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)