2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25282151
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
羽石 秀昭 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (20228521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中口 俊哉 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (20361412)
川平 洋 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (90447285)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 腹腔鏡手術 / 微小循環 / 血流 / 酸素飽和度 / 分光画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,我々がこれまでに開発を進めてきた舌下微小循環カメラを腹腔鏡下手術支援に発展させる.平成26年度は,これまでの試作機から光学系,機械系,電子系を大幅に改良し,腹部のアクセスポートから挿入可能なものを完成させた.ハード部分の製作は外注により実現し,代表者らは設計および改良指示を行ってきた.一方,装置に搭載する酸素飽和度推定,血流画像解析のソフトウエア部分の研究開発を進めてきた. 具体的な研究項目として,酸素飽和度推定の方法の構築および誤差予測を光伝搬シミュレーションにより進め,微小循環の血管径や照明に用いるLEDの波長帯域の幅が推定精度に与える影響を明らかにした.この内容は米国光学会が発行する世界的に権威ある論文誌であるBiomedical Optics Express誌に刊行された.さらに酸素飽和度が既知の血液を用いた物理ファントム実験も行い,シミュレーションの検証や実践に向けた手法の調整等を進めている. 一方,血流画像の動画像解析も進めた.試作開発中の撮影デバイスを用いてブタ小腸表面の微小循環を撮影し,その画像から流速分布の可視化を行った.前処理としてスパースモデルに基づいた強調処理が効果的であることを明らかにした.得られた流速分布マップを救急治療を専門とする連携研究者に提示したところ,非常に有用である旨のコメントが得られた. これら微小循環に関する研究の他に,よりマクロな臓器の組織酸素飽和度を推定するための透過計測技術および反射系撮影技術についても研究を進め,それぞれ学会発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画ではプローブ作成,酸素飽和度推定法の構築,血流画像解析,の3つの課題を設定しており,これらのいずれの内容もほぼ予定どおり進めることができている.酸素飽和度推定法の構築については,シミュレーションとファントム実験が25年度実施の設定だったところ26年度まで費やしたが,おおよそ完了することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
プローブ作成については,計画どおり小型プローブの試作を進める.酸素飽和度の推定については,ファントム実験結果までを英文論文誌に投稿した上で,さらに動物を対象としてin-vivo実験を行い,推定酸素飽和度の妥当性の検証を行う.血流画像解析については,具体的な応用を設定してそれに向けた処理法の研究を進める.具体的には小動物を用いた薬効の効果判定などへの利用が考えられる.
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Causes of Carryover |
カメラの試作費用が予想より抑えられ,18万円弱を翌年度に持ち越すこととなった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
小型カメラの試作に当てる予定である.
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