2015 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性微小血管障害に対する運動・高酸素プレコンディショニング併用療法の開発
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25282165
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
近藤 浩代 名古屋女子大学, 家政学部, 准教授 (50333183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 英己 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (20278998)
石原 昭彦 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (90184548)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 毛細血管 / 運動 / 高酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では2型糖尿病に起因する骨格筋の毛細血管退行を予防するために運動及や高酸素プレコンディショニング,さらに併用した予防的介入法を開発する.その予防効果と作用機序を検証するために筋毛細血管ネットワークを可視化し,血管新生因子・新生抑制因子の調節系因子について,解析を行い,運動と高酸素の各々の効果及び併用効果を検証する計画である.平成26,27年度は2型糖尿病モデルであるGoto-Kakizaki(GK)ラットを使用して,低強度運動や高強度短時間運動を実施した.その結果,運動を実施していない糖尿病ラットのヒラメ筋における毛細血管は退行し,血管新生因子の低下,血管新生抑制因子の増加を観察した.一方,毎日,トレッドミル走行運動を実施した糖尿病ラットでは,ヒラメ筋毛細血管の退行を減衰させ,血管新生因子の低下や血管新生抑制因子の増加も減衰させた.また,低強度運動と高強度短時間運動による強度による差はなく,共に同等の効果が得られた.これらの結果から運動強度に関わらず,運動は糖尿病の合併症である末梢組織(骨格筋)の毛細血管後退を予防し,微小血管循環障害を予防できることを明確にした. 次に軽度高圧高酸素濃度チャンバーを作製し,高酸素によるプレコンディショニングでの筋毛細血管の影響について,1型(ストレプトゾトシン投与)及び2型(GK, ZFDM)糖尿病モデルラット用いて予備検討した.1.25気圧チャンバー内に1日12時間6ヶ月間曝露した.HbA1cは低下傾向にあったが,骨格筋の毛細血管退行や代謝活性等についてはモデル動物によって不明瞭な結果となった。このため再度条件設定等を見直し,効果的な条件を検討する計画である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26、27年度は主に2型糖尿病に伴う骨格筋毛細血管の退行について検証を実施した.また,毛細血管退行に対して,運動が効果的に作用するかについて検討を行った.その結果,運動は2型糖尿病に伴う骨格筋毛細血管の退行について予防効果があることを明確にできた.骨格筋の萎縮予防効果については検証することができた.本研究の目的の一つである骨格筋毛細血管の退行予防という観点で目的を達成できたと考える.また,高酸素曝露による毛細血管退行に対する予防効果について検証するために軽度高圧高酸素濃度チャンバーを作製し,高酸素による骨格筋の反応についても実験を実施した.ストレプトゾトシン投与のよる糖尿病群のSDH(コハク酸脱水素酵素)やCS(クエン酸シンターゼ)の活性低下が観察され、高圧高酸素曝露によってその活性低下が減衰された。さらに条件設定等を見直し,効果的な条件を検討する計画である.さらに糖尿病のモデル動物により骨格筋の毛細血管に異なる反応が見られる可能性があるために,GKラット、ZFDM (Zucker系),型モデルや他のモデル動物についても検討している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度においては高圧高酸素曝露による糖尿病性毛細血管の退行を予防する条件設定を検討する計画である.平成25, 26, 27年度に作製した軽度高圧高酸素チャンバーの再改良に加えて,複数のモデル動物で適正な酸素濃度等を検証する計画にしている.また,運動との併用による効果促進について検証を進めていく計画である.
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Causes of Carryover |
平成28年度においては高酸素曝露による糖尿病性毛細血管の退行を予防する条件設定を検討する計画である.平成26, 27年度の高圧高酸素チャンバーの改良と、運動との併用による効果促進について検証を行う計画を立て直したため引き続き複数のモデルで効果を検証する費用として次年度使用する.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度においては高酸素曝露による糖尿病性毛細血管の退行を予防する条件設定を検討する計画である.平成26, 27年度に作製した軽度高圧高酸素チャンバーの改良に加えて,適正な酸素濃度等を検証する計画にしている.また,複数の糖尿病モデル動物で運動との併用による効果促進について検証を深めていく計画である.
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Research Products
(11 results)