2014 Fiscal Year Annual Research Report
視線検出とNIRS、P300を利用した重複肢体不自由者移動支援システムの研究開発
Project/Area Number |
25282176
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小谷 信司 山梨大学, 総合研究部, 教授 (80242618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 喜道 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (00210964)
清水 毅 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (40293443)
鈴木 裕 山梨大学, 総合研究部, 助教 (40516928)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 重複肢体不自由者 / ヒューマンマシンインターフェース / 電動車いす |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの科研費の補助のもとSLAMとSIFTを利用して屋内・屋外環境の2.5次元地図を作成し、視覚障害者の白杖に装着したマルチスポットレーザ光を画像認識し、白杖周辺の3次元情報を取得、視覚障害者を目的地まで安全に誘導するシステムを構築・評価し、そ の有効性を確認した。さらに三菱財団の補助(H22~H23)のもと、視線とNIRS(光トポグラフィ)による重複肢体不自由者コミュニケーションシステムを実現した。 本研究課題は、両者の発展的な融合研究であり、画像センサ、ステレオセンサ、測距センサ、音センサを有し、発話不可能な重複肢体不自由者の目的地までの安全な移動を支援する「絶対にぶつからない」電動車いすを研究開発する。肢体不自由者とシステムのインターフェース(BMI)には、障害の程度に応じて、視線、NIRS、P300(脳波)を利用する。支援学校の屋内・屋外環境下で評価を行い、その有効性を検証する。 平成25年度は要素研究、基礎研究を行った。被験者は、安全性を考慮して、すべて健常者で行った。平成26年度へ向けてプロトタイプシステムを構築した。 平成26年度は、単純な移動支援から段階的に一般的な移動支援(環境の一時的変化、他者とのインターラクション)の状況での取り組みを行った。脳波による電動車いすの操縦、NIRS(光トポフラフィー)を利用した電動車イスの操縦、視線による電動車いすの操縦を実現し、それらの比較を行った。 現在の脳性マヒの被験者3名の方に協力を依頼し、簡易的な移動ロボットの操縦の取組みを行い、3つの利用手段の比較を行った。不随意運動が顕著な脳性マヒの被験者の方では、筋肉電位が影響して脳波による操縦がかなり難しいことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は要素研究、基礎研究を行った。被験者は、安全性を考慮して、すべて健常者で行った。平成26年度の研究へ向けてプロトタイプシステムを構築した。 平成22~24年度科研費で研究開発した2.5次元経路地図作成システムを電動車いす用にカスタマイズした。全方位カメラ、前方向計測用の測域センサ(範囲30m)、後方向計測用の測域センサ(範囲8m)、ステレオカメラセンサ、音センサ(マイクロホンアレイ)を 搭載した。 なお、当初研究分担者の予定であった研究者が一年間の育児休暇を申請し、本研究課題の役割を果たすことが困難となり、分担者から外れたため、ヒューマンマシンインターフェースの部分には、若干の遅れが生じている。 平成26年度は、単純な移動支援から段階的に一般的な移動支援(環境の一時的変化、他者とのインターラクション)の状況での取り組みを行った。脳波による電動車いすの操縦、NIRS(光トポフラフィー)を利用した電動車イスの操縦、視線による電動車いすの操縦を実現し、それらの比較を行った。 現在の脳性マヒの被験者3名の方に協力を依頼し、簡易的な移動ロボットの操縦の取組みを行い、3つの利用手段の比較を行った。不随意運動が顕著な脳性マヒの被験者の方では、筋肉電位が影響して脳波による操縦がかなり難しいことが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、平成26年度にテストの終了した部分のシステムを実際の施設の屋内環境、屋外環境で評価する。環境の設定に関しては、支援学校の教諭、施設の医師、看護師の意見を最大限に取り入れ、安全・安心な実験が行える最大限の配慮をする。教室から食堂への移動、玄関から体育館への移動など複数のコースを設定し、他者とのインターラクションが発生するシナリオを複数設定する。 被験者は健常者と重複肢体不自由者で行う。不具合などが発生した場合、健常者の被験者で正しく修正されたことを確認後、重複肢体不自由者で行う。ユーザの指示通りにロボットが移動・行動した場合、危険が発生する場合がある。この状況に対しては盲導犬が行っている「賢い不服従」(ロボット工学三原則の二:ロボットは人間の命令に従わなくてはならない。ただし第一原則に反する命令はその限りではない)の機能を実装することで対応する。 なお、当初研究分担者の予定であった研究者が一年間の育児休暇を申請し、研究分担者としての役割を果たすことが困難となり、分担者から外れたため、ヒューマンマシンインターフェースの部分には、若干の遅れが生じているが、その部分の研究開発を加速する。
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Causes of Carryover |
当初、日立の光トポグラフィー装置を備品購入する予定であったが、スペクトラテック社から日立の製品の能力を遙かに上回り、安価な製品が発売され、それを購入したため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際会議での発表を増やすと共に、予算の関係から性能の劣る全方位画像センサを選定していたが、本研究課題を遂行するに当り、性能の良い高価な全方位画像センサを購入する予定である。
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Research Products
(2 results)