2013 Fiscal Year Annual Research Report
荷重立位揺動運動における電気刺激応答筋電検出器を用いた筋肉の質評価システムの開発
Project/Area Number |
25282180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
河村 顕治 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (40278974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 良男 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (70116200)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サルコペニア / 筋肉の質 / 周期的身体揺動刺激 / 電気刺激 / 電気刺激筋電応答 / 筋電図 |
Research Abstract |
加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)では加齢や不活動により筋繊維の再生能力が低下し筋量が減少するだけでなく、速筋繊維が選択的に萎縮して筋肉の質そのものが変化する。その予防のためには筋量だけでなく筋肉の質の評価が強く求められている。我々は周期的身体揺動刺激とそれに同期した電気刺激を同時に加えることにより、低レベルの刺激でありながら下肢筋群全体の遅筋と速筋の両方を活性化する方策を研究してきた。本研究の目的は、荷重立位揺動運動時の電気刺激筋電応答を計測することにより筋肉の質評価を行うことのできる安全な非侵襲システムを開発することである。 荷重立位で周期的身体揺動刺激とそれに同期した筋電気刺激を同時に加えた場合、電気刺激が太い神経繊維を先に刺激して速筋が収縮することもあり、その刺激条件の設定によって誘発される筋収縮は極めて多彩なパターンとなる。電気刺激の部位、タイミングなどを変化させて下肢筋群全体を活性化する最も効果的な条件を見出す必要がある。その上で電気刺激がパルス波で刺激を行うことを利用して刺激の合間をぬって筋電図を拾う電気刺激応答筋電検出器を新たに製作することで、周期的身体揺動刺激と筋電気刺激の併用によって下肢全体の筋群を収縮させて筋電図を計測し、下肢筋の筋肉の質を評価できる非侵襲システムを開発することを計画した。 揺動運動において電気刺激を併用した時の筋活動を計測するために『電気刺激応答筋電検出器』を一次試作した。製作したシステムは電気刺激がパルス波で刺激を行うことを利用して、刺激の合間をぬって筋電図を拾うものである。筋動作時には筋電が全体的に重畳したような波形となるため、低周波出力後の乱れ部分を無視して、筋電応答時間だけ電位を出力するシステムを組み筋収縮による電気活動を捉えることが可能となった。筋電検出はより多くの筋活動を捉えるために4チャンネルとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に電気刺激併用型荷重立位周期的揺動装置の一次試作を行い、健常若年者を対象にして計測した筋電波形の積分解析を行い、平成26年度に二次試作を行い周波数解析が行えるレベルの精密な計測が行えるように改良を加え、被験者を高齢虚弱者まで拡大し計測を行う計画であった。そのため、平成26年度に高齢被験者における転倒事故防止用として牽引免荷装置を整備する計画であった。しかし、計画を見直して、一次試作で周波数解析が行えるレベルの装置を製作して、牽引免荷装置も装置本体と一体化して製作することができた。 次年度以降の筋電図の計測において、装置そのものを二次試作として製作しなくても、設定を変更することで様々な調整を加えることができるシステムが完成したため、平成26年度以降の研究は当初計画通り、順調に行える見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度には電気刺激併用型荷重立位周期的揺動装置の二次試作を行う予定であったが、平成25年度に二次試作で予定していた機能まで完成することができたため、二次試作は行わない。 初年度の一次試作機の解析結果および基礎実験の結果などを反映して電気刺激応答筋電検出器の調整を行う。周波数解析が行えるレベルの精密な計測が行えるように調整を加えて、転倒事故防止用の牽引免荷装置を使用して、被験者を高齢虚弱者まで拡大して計測を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
一次試作機を製作して、被験者に対して実験を行い謝金を支払う計画であったが、一次試作機の製作と調整が年度内一杯かかってしまったため謝金分は次年度に持ち越しとなった。 次年度使用額は研究の被験者に対する謝金の一部とする予定である。
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Research Products
(6 results)