2015 Fiscal Year Annual Research Report
歩行における関節間シナジーの発現機構と進化・成長に伴う変化
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25282183
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
西井 淳 山口大学, 理工学研究科, 教授 (00242040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣内田 翔子 鹿児島工業高等専門学校, 電気電子工学科, 助教 (90638537)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 二足歩行 / シナジー / UCM解析 / 成長 / 進化 / 神経回路モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,主にヒト(成人),ニホンザルに関する結果の公表に向けて論文執筆を進めた。また,ヒトの成人については70才代の高齢者の歩行解析も行なうことにより成長・加齢による関節間シナジーの変化の解析を進め,その結果,20才代の若年者に比べて高齢者では歩行中の関節軌道のばらつきは大きくなるものの,足先位置のばらつきを抑える関節間シナジーの形成に衰えは見られないことを示唆する結果を得た。この結果は,関節間シナジーの形成が歩行制御において重要な役割を担っていることを示唆する。また,歩行中の関節間シナジーの形成の様子を詳細に検討することによって,Minimum Toe Clearanceの時期には足先位置,踵接地直前の遊脚終期には足関節位置のばらつきを抑えるように関節間シナジーの動的な再編成が生じていることを示唆する結果も得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,人,ニホンザル,受動歩行機の二足歩行における関節間シナジーを解析することで,成長や進化に伴う歩行戦略とともに,関節間シナジーの生成メカニズムを探ることである。これまでにヒト(成人),ニホンザルの関する成果の一部については論文執筆による成果公表を行い,ヒトの加齢による関節間シナジーの変化や,ヒトと受動歩行機の関節間シナジーの相違点,関節間シナジーの生成メカニズムの数理モデルの構築に関しても学会発表を行っている。一方で当初予定していた,筋活動の解析に基づく関節間シナジーの形成機序の推定についての研究が,データ解析が困難であるためにやや遅れているが,上記の成果を得ていることから,現在までの成果はおおむね順調であると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
予定よりも遅れている歩行中の筋活動の解析を進め,関節間シナジーの形成にいかに神経系が寄与しているかを推定する作業を行っていくとともに,現在までの成果を論文にまとめて公表する作業を推進していく。
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Causes of Carryover |
論文の出版経費が当初の想定額よりも低くすんだために残金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究内容の公表のための学会参加費もしくは論文出版費にあてる予定である。
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Research Products
(11 results)