2014 Fiscal Year Annual Research Report
運動観察における他者行為観察と自己行為生成のダイナミクス
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25282188
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
山田 憲政 中京大学, スポーツ科学部, 教授 (00210469)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 身体運動 / 情報 / フィッツの法則 / 軌道生成 |
Outline of Annual Research Achievements |
他者の運動を観察することと、自身の運動を制御すること、この関係を検討することが本研究の目的である。つまり、これまで別々に検討されてきた、自身の運動の制御と、他者の運動の制御、そして他者の運動の観察によって自己運動がどう影響を受けるかを検討することである。これまでは、投球動作におけるムチ運動の観察において、自身の運動能力が関与することを明らかにし、観察することと行為することが関連することを明らかにした。これは、基本的には、全ての運動をオープンループ系と捉え、運動における情報とは何かを検討したことに他ならない。 そこで本年は、フィッツやウッドワースといった、身体運動にアプローチした古典的研究の実験方法を見直し、さらに慣性センサやモーションキャプチャーといった精度の高い動きのデータ収集装置を用いて、人間の動きにおける情報が軌道生成にどのように関与しているかを検討した。その結果、大きく分けて速い動きと遅い動きでは軌道をチューブとして捉えたときその断面積が異なり、時々刻々選択できる軌道が速度や目標点の要求される精度によって異なることが明らかになった。これはつまり、軌道とは時々刻々選択された結果であり、選択という意味で動きは情報を速度や目標点の精度に拘束されながら生成していることが示されたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
身体運動の情報について、軌道の選択という観点から検討できた本年の研究成果は、最終年度の観察の行為における情報伝達の基礎研究となるから。
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Strategy for Future Research Activity |
身体運動が基本的にオープン系であることは、自身の動きを制御するときだけでなく、他者の動きを観察することにおいて動きの情報が伝達されているといえる。今後は、今年度の身体運動の情報についての考察を深めるとともに、自身の動きのエラーが他者の動きのエラーにどのように関与するのかを検討することから、他者の運動観察と自身の行為のダイナミクスを検討していく。
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Research Products
(2 results)